9月は中国の入学シーズン。今年は新型コロナの影響もあり、各地では入学式や登校開始日のピークを分散させ、各種イベントを簡略化するなどして対応しているが、現在までにほぼ例年通りの日程で無事新学期をスタートさせている。今回はなかでも中国の大学をピックアップし、入学シーズンならではのあれこれを紹介していこう。人民網が伝えた。
恒例の荷物持ち保護者の付き添いは年々減少傾向
中国の大学入学シーズンと言えば、まず思い浮かべるのは新入生と共に大きな荷物を抱えて見送りにくる保護者たち。中国では、ほとんどの大学生は大学の寮に住むが、親元を離れる子供のために保護者たちが準備した大量の衣服や地元名産の食べ物、さらにはすぐに生活をスタートできるように布団などの大きなものから、洗面用具にスリッパといった細々としたものまで、自ら抱えて大学へやって来る。ただ近年、ネットショッピングと宅配業が急成長し、全国どこからでもネットで注文し、届けることが可能となっている。さらには経済的な発展にも後押しされ、新入生たちは新生活に必要なものをネットで注文し、寮に直接送り届けるのがトレンドとなりつつある。また、今年は新型コロナの影響から、大学側も保護者のキャンパス立ち入りを原則的に禁じるといった対策をとっている。
ますます進む入学手続きのスマート化
ここ数年、大学入学シーズンになるとしばしば話題になっているのが、各大学が推し進めている顔認証などを利用した入学手続きのスマート化。大学キャンパスへの出入り管理から、各学部への入学手続き、さらには軍事訓練用の訓練服のサイズ予約、身体検査の予約、学費納入に至るまで、顔認証やAIを活用することで、スピーディな手続きを可能にしている。
新入生のオリエンテーションは軍事訓練?
日本の大学生が聞いて一番びっくりするのは、何といっても中国の大学入学時に行われる軍事訓練かもしれない。中国では中学・高校と大学でこの時期、軍事訓練が実施される。軍事訓練の日数や内容は各校によってさまざまだが、ガチョウ足行進の練習、ランニングや軍体拳と言われる軍隊格闘術のほか、一部の大学では射撃訓練なども行われる。こうした訓練は新入生にとってオリエンテーション的な意味合いもあり、全国各地から集まった学生たちが寝食を共にした訓練を通じて、知り合い、絆を深めるきっかけにもなっている。
新型コロナの影響が最も深刻だった湖北省武漢市の大学も現在、入学シーズンと新学期を迎え、新入生や在校生が続々と武漢に戻っている。在校生にとっては実に8ヶ月ぶりの大学となるため、寮にキノコが生えていた、布団がカビだらけだったといった「ネタ」がネットをにぎわしているのと同時に、「こんなに新学期が待ち遠しかったことは無い」としている学生も少なくない。大学側も国のガイドラインに基づき、校内への出入りの制限やオンライン・オフライン教学の随時切替など、様々なコロナ対策を行い、秋冬の風邪流行シーズンに備えている。(文・イラスト・玄番登史江、袁蒙)。
イラストで知ろう!イマドキ中国
人民網ではもっと身近なスタイルで今どきの中国を読者の皆さんに知ってもらうため、「つるにはまるまるむし爺さん」と「へのへのもへ郎」、「へめへめくつ美」の3人が流行語やカルチャー、時事問題など幅広いジャンルにおける「イマドキ」を紹介。中国ってこんな国なんだ!と興味を抱き、理解を深めるきっかけにしてみてください。
「人民網日本語版」2020年9月9日