日本人は食事の前に両手を合わせて、「いただきます」と言うことが習慣になっている。「いただきます」と言うのは、感謝を表す言葉だ。日本人は、食べ物は自然の恵みで、料理を作ってくれた人だけでなく、食材にも感謝しなければならないと考えている。新華網が報じた。
東京のある飲食店で食事をする男性たち(資料写真)。
日本の家庭では、子供が食べ物を大事にし、環境を大切にする心を養い、資源を無駄にしないようにする「食育」を施す。
家庭だけでなく、学校でもそのような系統的な教育が実施されている。子供の頃から日本で育ったある中国人留学生は取材に対して、「小学生の頃、昼食を食べる時、先生が今日の食材はどこでできたかを紹介していた。私の学校には生徒が管理する菜園があり、学校の食堂も、時々生徒が育てた野菜を使っておかずを作っていた。ナスやキュウリを育てたのを覚えている。自分たちで育てた野菜を食べて、とても感動したし、絶対に残さないように食べなければと思った」と話す。
物価が高いため、日本の主婦は工夫してやり繰りしている。山根雅世さん(47)は取材に対して、「1ヶ月の食費は約5万円で、きちんと計画して使っている。実家で、食べ物を粗末にしてはいけないと教えられた。私は主婦になってから、特にそれに気を付けている」と話した。
大阪のコンビニのローソンで客がカゴに入れた商品(資料写真)。
しかし、意外なことに、日本は食品の「ロス大国」となっている。
日本の農林水産省と環境省が4月に発表した統計によると、2017年度、日本の食料の自給率は4割にも満たず、食品ロスは612万トン(うち「事業系」食品ロスがおよそ約328万トン、「家庭系」のロスが284万トンと推定)に達した。これは同年、国連世界食糧計画(WFP) による世界食糧援助量の2倍に当たる数字だ。別の統計によると、2019年、日本の食品ロスは世界6位、アジア1位となっている。では、その背後にはどんな原因があるのだろうか?
日本の状況を観察してみると、その食品ロスのほとんどが商品の流通の過程で発生している。
日本の食品流通業には、食品の流通過程において製造者、 販売者(小売り)、消費者の 3 者が、製造日から賞味期限までの期間を 3 分の1ずつ均等に分け合うという考え方に基づく商慣習「3 分の1ルール」がある。そのため、販売者は賞味期限の3分の1を過ぎた商品の受け取りを拒否することができる。それが、品質に何の問題もない大量の食品が廃棄されてしまう原因になっている可能性がある。この商慣習は、その目的こそ、消費者に高品質の食品を提供するというものであるものの、期限の設定があまりにも厳格で、食品ロスの元凶となってしまっている。
横浜のスーパーで商品棚を整理する店員(資料写真、撮影・銭錚)。
日本では、食品のパッケージには「品質保証期限」という文字は見当たらず、通常「賞味期限」、「消費期限」が書かれていることは注目に値する。
「消費期限」というのは、安全に食べられる期間のことだ。また、「賞味期限」というのは、食品の新鮮な風味を保つことのできる期間のことだ。簡単に言うと、「賞味期限」が切れると、一番おいしくはないものの、安全に食べることはできる。しかし、多くの人がその意味をあまり理解しておらず、不必要なロスが生じている。