その他、見た目の悪い食品も、店に並ぶこともなく、捨てられている。日本のスーパーに並んでいる形や色の良い果物・野菜は、既に何度ものふるい分けを経ている。これも、たくさんの食品ロスが発生する原因だ。
もちろん、日本の社会もこの問題に気付いており、積極的に解決策を模索している。例えば、2019年5月、「食品ロスの削減の推進に関する法律案」が衆議院で可決した。同法案は、「国は、食品ロスの削減に関する施策を総合的に策定し、実施する責任を有する」と明確に規定している。そして、「内閣府は、特別の機関として、食品ロス削減推進会議を置く」や、「国及び地方公共団体は食品関連事業者、その他の者から未利用食品等まだ食べることができる食品の提供を受けて、貧困、災害等により必要な食べ物を十分に入手することができない者にこれを提供するための活動が円滑に行われるよう、当該活動に係る関係者相互の連携の強化を図らなければならない」と規定している。
4月8日、東京のスーパーのレジに並ぶ客ら(撮影・杜瀟逸)。
今年3月、日本政府はこの法案に基づいて、「食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針」を発表した。同方針は消費者に対して、必要に基づいて食品を購入し、食材の食べられる部分をロスしないよう取り組むよう推奨している。農林漁業関連の企業に対して、未使用の農林水産品を有効利用するよう求めるほか、食品関連の経営者に対しては、包装資材を改善するなどして食品の賞味期限を長くするようにと求めている。
中には食品の賞味期限に「商機」を見つけている人もいる。数年前から、賞味期限がもうすぐ切れる、または切れたばかりの食品を専門に販売するスーパーも登場している。販売価格は、普通のスーパーの半値以下で、大人気となっている。
5月4日に撮影した東京のコンビニ(撮影・杜瀟逸)。
その他、農林水産省の支援の下、日本の食品メーカーと販売者は、業界の慣例の修正も試みている。例えば、一部の飲料やおやつなどを対象に、納品期限を賞味期限の3分の1から、2分の1に伸ばすことを検討している。また、一部の日本の企業は食品回収業界に参入し、廃棄された食品を加工して、動物の餌にし、リサイクルを実現している。さらに、政府も消費者に対して、消費意識を改善し、ロスを避けるために、食品の新鮮度を過度に気にしないようにと呼びかけている。
日本政府は今年5月、2030年をめどに、「事業系」食品ロスと「家庭系」食品ロスを、2000年の半分にすることを目標に掲げた。また、消費者庁が今年1月に実施した消費者の意識に関する調査では、「食品ロス削減のための取り組みを行っている」と答えた回答者は76.5%だった。日本政府はその割合を80%にまで引き上げたい考えだ。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年9月8日