中国農業科学院油料作物研究所が30日に明らかにしたところによると、同研究所油料作物ゲノム学・耐病性改良革新チームはアブラナゲノムの全転写情報暗号を解読し、アブラナの10万個以上の遺伝子の転写全マップを構築した。これによりアブラナ遺伝子機能の研究に初めて標準的な参考可能な遺伝子転写データバンクが備わり、アブラナ機能遺伝子の関連研究を力強く支えるものとなる。同成果は最近、国際的に有名な学術誌「The Plant Journal」に掲載された。科技日報が伝えた。
アブラナのゲノムには約12億個の核酸塩基と10万個以上の遺伝子が含まれる。これらの大量のゲノム情報の解読は、アブラナ機能遺伝子の研究の重要任務となった。セントラルドグマによると、遺伝子の転写によって形成されるmRNA(メッセンジャーRNA)はさらにタンパク質に「翻訳」される。遺伝子の転写には通常、複数の変化可能な剪断方法が存在し、1つの遺伝子がさまざまなmRNAを形成する。これまでは技術的・資源的な制限により、アブラナに全ゲノム水準の全遺伝子の転写mRNAデータバンクが存在しなかったため、アブラナ遺伝子機能の研究に、検索及び参考が可能な遺伝子注釈情報が不足していた。
このボトルネックを解消するために、同チームは最新の第3世代シーケンシング技術を採用し、アブラナ全長トランスクリプトームを正確に測定するとともに、倍数体アブラナの複雑なゲノムに用いる分類方法を独自に開発した。アブラナゲノムの転写全マップの作成に成功し、アブラナの「標準的」な参考になる転写データバンクを構築した。同研究成果はアブラナ遺伝子及びゲノムに対する認識と理解を改め、セイヨウアブラナの機能遺伝子及び遺伝改良の研究、ゲノム設計・育種にデータの基礎と理論的指導を提供する。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年7月31日