中国科学技術大学によると、6年間の取り組みを経て、同大学の共同チームと中国地震局が共同開発した人工知能(AI)地震観測システム「智能地動」(以下「同システム」)が、四川省と雲南省に位置する中国地震実験場で試験運用に成功した。科技日報が伝えた。
中国地震局が446件の地震評価結果に基づき、自動化された同システムと専門人員による計算・処理結果を比較したところ、非常に近い精度が示された。また同システムは1、2秒ですべての震源パロメータを導き出すことができる。一方で、世界で最も先進的なアメリカ地質調査所(USGS)の自動速報システムは、地震情報を発表するまで3−5分の計算時間を必要とする。
スピーディな地震速報は、人々に直ちに防護措置を講じるよう呼びかけ、原子力発電所などの重要施設の運営を速やかに停止し、高速列車の速度を落とし、救助プランを決定する上で重要な意義を持つ。自動化された同システムの登場により、人の手による24時間連続の地震観測というプレッシャーが極めて大きく緩和された。特に密集した地震ネットワークのビッグデータを速やかに処理でき、誤報や報告漏れの回避につながる。
中国科学技術大学の張捷教授によると、同システムは運用開始から1年が経過し、すでに複数の国の地震データの試験に成功している。同システムの研究開発チームは現在、日本、トルコ、メキシコなどの地震多発国の地震観測機関と、交流・協力や普及拡大計画を検討している。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年3月5日