今回の放火事件は、関係者以外にはなじみの薄かった「京アニ」のスタジオに人々の視線を集めた。今の日本アニメ界で、京アニは今や別格の存在だ。テレビアニメと劇場版アニメをともに制作する京アニは、作品の中で主に若者の日常生活を描き、美しい背景描写と細かい作画を最大の特徴とし、量と商業利益を追求する業界の流れとは一線を画し、閑静な京都の地でゆっくり丁寧に制作することを創作の原則とし、これをずっと守り抜き、独立した制作モデルを一貫して維持してきた。制作の一部を外部に発注することはほとんどなく、全ての制作プロセスを自社スタッフの手で行ってきた。最低賃金を保障し、他社のように出来高制の報酬システムを採用せず、固定給を支払い、福利厚生も提供してきた。また京アニは京都でプロ養成塾を開設し、スタッフが講師になって後に続く人材の育成を行ってきた。
7月19日、京アニの八田英明社長は事件後に初めて現場となった建物を訪れた際、目の前の全ての情景に心が痛み、震えが止まらなかったと明かし、「何もかも目を開けてみることができない」と述べた。火は京アニのスタッフたちが長年にわたり蓄積してきたあらゆる原画や資料を焼き払い、パソコンも破壊した……
京アニの大ファンという大学生の小関由貴さんは兵庫県から京都に駆けつけ、犠牲者の冥福を祈った。「しばらく時間がかかったとしても、『京アニ』が一日も早く復活し、また私たちにパワーを与えてくれることを願う」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年7月24日