中国の科学者はこのほど、世界的に有名な米サイエンス誌に論文「華南カンブリア紀前期パージェス頁岩群系の化石庫――清江生物群」を掲載した。地球早期の生命の進化と動物の分類の起源に関する話題が再び業界の内外で広く注目された。新華網が伝えた。
西北大学早期生命・環境革新研究チーム(以下「同チーム」)の張興亮氏、傅東静氏らは湖北省宜昌市長陽地区において、今から5億1800万年前のカンブリア紀特異埋蔵軟躯体の化石庫「清江生物群」を発見した。サイエンスはメディア向けに「カンブリア紀の秘密を解明する新たな宝の山が出現した」と紹介した。
ネイチャー誌はプレスリリースの中で「清江生物群は壮観なカンブリア紀を観察する新たな窓を開いた。これまで確認されていなかった新たな生物グループが見つかった」と伝えた。
清江生物群が見つかった宜昌市長陽地区は湖北省の南西部の山間部に位置し、カンブリア紀の地層が広く分布している。同チームの研究者は2007年以降、度重なる発掘及び研究作業により、このカンブリア紀の「化石の宝庫」の秘密を徐々に明らかにしていった。彼らは湖北省の山間部の「石の海」の中を探し回り、2万個以上の化石を発見した。
傅氏はこの「清江生物群」という命名について、「まずは化石の埋蔵地が清江と丹水河の交わる所にあるためだが、清江生物群が雲南省の澄江生物群と共に今後、世界に名を馳せる『中国両江生物群』になることへの願いがこめられている」と説明した。
説明によると、清江生物群で集められた大量の貴重な化石のうち4351点の初期段階の研究により、すでに109の属が分類・鑑定された。うち53%はこれまで記録されたことのない新たな属となる。さらに科学者たちにサプライズをもたらしたのは、清江生物群の化石の形態の保存状態が良好で、各種動物が生きている時のように保存されていることだ。動物の目、神経、内臓などの軟体組織と器官の形態構造がはっきり確認できる。
海外の専門家も中国の科学者の研究成果を高く評価している。スイス・ローザンヌ大学の古生物学者は「(清江生物群の)化石の豊富度と多様性と保存状態は世界一流で、高い科学的価値を持つ。今後の研究ではカンブリア爆発の未知の部分を解明し、動物の分類の起源及び進化に関する一連の科学の問題を解消する可能性がある」と話した。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年4月16日