龍吉堂さん(前列左)と子の龍先■(虎の儿が几)さん(後ろ)が孫の龍建平さんに彫刻の技能を伝える様子。 |
今年80歳になる龍吉堂さんは湖南省湘西トゥチャ族ミャオ族自治州鳳凰県禾庫鎮徳榜村に暮らしており、小学生の頃から銀細工の修行をしてきた。子供と孫も一族の技能を継承し、祖父から孫まで3代にわたって匠の心を守り伝え、ミャオ族の銀細工文化を伝えている。ミャオ族の銀細工は製造工程が非常に複雑で、溶接、鍛錬、はめ込み、透かし彫りなど数十の工程を経てやっと完成する。
ミャオ族の伝統文化では、銀細工は女の子が結婚するときの「標準装備」だ。龍さんの説明によると、「女の子が結婚する時の銀細工にはいろいろな種類があり、頭、肩、耳、胸元、手にそれぞれ飾りをつける。1セット制作するのに、7〜8人が協力しても最低1週間はかかる」という。最近は、機械加工の工業製品がミャオ族の地域に大量に出回り、伝統的なやり方はモデル転換と挑戦に直面し、名人の多くが技能を捨てて他郷に移っていった。龍さんは伝統技能を守り、純銀を原材料に、民族の伝統的文様を使用し、自らの手で制作を続けるとともに、弟子を受け入れて技能を伝えている。
銀細工の伝統を伝える龍さん一家の影響で、同村の銀細工制作は「伝承館+拠点+個人の工房」を構えた生産、供給、販売の一体化局面を形成するようになった。現在、工房は10数カ所あり、銀細工制作に従事する人は200人に迫り、近くから遠くまで名をはせる「銀細工の匠の村」になっている。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年4月13日