2019年3月15日、アジア最大の大型ポンプ浚渫船「天鯤号」は同月12日に通関手続きを終えて、江蘇省の連雲港から初航海に出発した。これは中国が独自に開発・建造した浚渫船「天鯤号」が製造・運航にこぎ着けたことを意味する。(写真提供:人民図片)
世界知的所有権機関(WIPO)がこのほど発表したところによると、2017年に中国が行った特許協力条約(PCT)に基づく国際特許出願は4万8882件に達し、世界2位だった。このデータから、中国が知的財産権の強国へと次第に前進するとともに、世界に向けて普及推進や協力を積極的に展開していることがわかる。
PCTに基づく国際特許出願とは、特許権者がPCTのルートを通じて国際特許を申請することをいう。PCT国際出願上位15ヶ国のうち、中所得国は中国とインドだけだ。中国のPCT国際出願の年成長率は13.4%に達し、2けた成長を達成した唯一の国である一方で、03年からずっと10%を超える成長率を保っている。また17年には中国の知的財産権等使用料の輸出額が初めて40億ドル(約4478億円)を超えた。
中国では08年に「国家知的財産権戦略大綱」が制定された後、知財権保護が国家戦略に格上げされ、安定した公平で透明、かつ予測可能なビジネス環境が効果的に創出された。18年8月には国家知識産権局(知財局)が再編を行い、特許、外観デザイン(意匠)、商標、原産地表示・地理的表示、集積回路の回路配置の集中管理を実現し、知財権管理の効率が大幅に向上した。
知財権は「一帯一路」(the Belt and Road)建設の推進において非常に重要な基礎的役割を発揮し、中国は「一帯一路」構想の実施過程で知財権協力を積極的に展開してきた。16年7月には、第1回「一帯一路」知的財産権ハイレベル会議を北京で開催し、「『一帯一路』国家の知的財産権分野における協力強化の共同構想」を発表し、「一帯一路」の知財権協力メカニズムを構築した。17年の「一帯一路」国際協力サミットフォーラムの開催期間には、知財局とWIPOが「『一帯一路』知的財産権協力合意」に調印し、「一帯一路」の知財権協力が国際的意義をより多く備えるようになった。18年8月に行われた第2回「一帯一路」知的財産権ハイレベル会議では、知財局の申長雨局長が、「各方面の共同の努力の下で、この2年間にはあらゆる知財権の枠組内の協力プロジェクトが積極的に実施された」と成果を紹介した。
PCT国際出願が世界2位となり、高い年成長率を維持したことから、中国の知財権の価値がますます世界に認められるようになってきたことがうかがえる。WIPOのフランシス・ガリ事務局長は第1回「一帯一路」国際協力サミットフォーラムに参加し、中国政府と国際機関の間の「一帯一路」の知財権協力に関する初の合意文書となる「世界知的所有権機関と中華人民共和国政府との『一帯一路』の知的財産権協力の強化についての合意」に調印した。ガリ氏はこのほど中国メディアの取材に答える中で、「これまでの貿易協定や貿易協力モデルと異なり、『一帯一路』構想は沿線国間で貿易・ビジネス協力を展開する能力の建設を強化することをより強調する。こうした能力の建設は知財権と切り離せないものだ。中国の指導者たちは知財権がイノベーションと現代経済で果たす役割を一貫して非常に強調するとともに、あらゆる経済分野の中で知財権の影響を重視してきた。これは非常に重要な経験でもある。また中国の経験からわかるのは、知財権の重視には長いプロセスが必要だということで、中国は知財権重視の長期的政策への決意を十分に示してきた。これも他国の参考になる」と述べた。
国連のシステムにおいて知財権の登録保護や革新の推進を担当する専門機関のトップとして、ガリ氏は北京で行われる第2回「一帯一路」国際協力サミットフォーラムに参加する予定で、「WIPOが中国の提起した『一帯一路』構想に積極的に参加することを願う。中国が沿線国と知財権方面の経験を積極的に共有し、こうした国々の知財権事業の発展と経済の発展を共同で促進することを願う」と意気込みを語った。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年4月16日