最近、中国遼寧省にある東北大学機械工程・自動化学院で教鞭をとる李小号先生が、話題の的になっている。李先生は「教学秘伝書」シリーズを開発し、複雑で難解な科目「図形幾何学と機械製図」と「リーグ・オブ・レジェンド」や「ウォークラフト」などのゲームを結びつけて、ゲームに盛り込まれている図形幾何学に関する知識を取り入れて授業を行っている。李先生は、同大学の「最も好きな先生」に、2年連続で選ばれている。中国青年報が伝えた。
大学の専門科目の難易度は高いがその授業時間数は限られている。李先生は学生の立場に立って物事を捉えており、これは教育を実践する上で、教育を受ける側の考え方を尊重していると言えるだろう。歴史的にみても、「面白味のある教学」に尽力した人物は少なくない。清末~民国初期の啓蒙思想家である梁啓超も「趣味教育」や「趣味主義」といった文章を発表し、「面白味こそが生活の原動力であり、面白味がなくなったら、生活の意義もなくなる。であるならば、教育の方法に関する議論は、ごく自然に解決の道に至る」との見解を示している。
数年前から、政府・民間の別なく、大学学部教育を強化しようという声が日増しに高まっている。同時に、大学学部教育の質を高めようとする場合、厳しくチェックするだけではなく、教学スタイル・方法の改善についても、工夫を凝らすことが求められている。勉学は辛く苦しいものだが、できるだけその苦痛をとりのぞかなければならない。大学側と教員は、現有のカリキュラムに対して、的を絞った大胆な改革を進めなければならない。舞台に立つ1分間のために、10年間の訓練が必要という言葉にあるように、教師もまた授業での1分間のために相応の努力を払う必要があると言える。授業で教える知識と学生が興味を持つポイントを首尾一貫させるだけでなく、定められたカリキュラムも完璧にこなすことは当然ながら容易とは言えない。これは一種のシステム工学と言ってもいいかもしれない。大学と学部も、教員が行うカリキュラム改革のためにプラスとなる環境を創造し、必要な許容の余地を与え、合理的な評価・奨励システムを確立しなければならない。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年3月26日