中国航天科技集団への3日の取材によると、中国は全面的に大型ロケット重大プロジェクトの実施案の論証を展開しており、ロケット技術案と開発能力形成案を大まかに確定した。計画によると、大型ロケットは2030年に初飛行を行い、中国の宇宙輸送システム・能力を世界の宇宙強国へ仲間入りさせることを実現する。科技日報が伝えた。
全国政協委員、同集団副社長の李洪氏によると、同集団は昨年、大直径貯蔵タンクを始めとする多くのプロトタイプ機を完成させ、さらに3種のエンジンの各種部品・モジュールの加熱試験を行った。コア技術の研究開発に実質的な進展があり、大型ロケット重大特別プロジェクト任務の立案に向け、理論と技術の確かな基礎を固めた。
次世代ロケット「長征6号」が2015年9月に初飛行に成功した。長征6号は初めて液体酸素・ケロシンエンジンを採用し、衛星20基を宇宙に送り込み、中国の同時打ち上げの新記録を樹立した。次世代ロケットのうち唯一の固体燃料ロケットである「長征11号」が、2015年9月に初飛行を行い、中国製ロケットのスムーズな打ち上げで数時間の短縮を実現した。これは中国が小型衛星のネットワークを急速に構築する能力をつけたことを意味し、中国が急速に宇宙に進出する能力の向上にとって節目の意義を持っている。新たに開発された高信頼性・高安全性の次世代中型ロケット「長征7号」が2016年6月、海南文昌航天発射場で初飛行に成功した。中国有人宇宙ステーションに向け貨物船を打ち上げる需要と、未来の有人ロケットのアップグレードの長期的な需要を満たした。
中国製ロケットのアップグレードの節目となるプロジェクト、「長征5号」の初飛行任務が2016年11月に無事に成功した。長征5号は中国の離陸重量及び輸送能力が最大の、技術的な幅が最も広いロケットだ。中国のロケット輸送能力を低地球軌道で25トン、対地同期軌道で14トンに拡大している。2017年7月に行われた、長征5号遥2ロケットの打ち上げ任務は失敗に終わった。長征5号は今年下半期に再度打ち上げ、遥3ロケットの飛行任務を実施する。
低コスト中型ロケット「長征8号」も、2020年に初飛行を予定している。
李氏によると、次世代中型ロケットには「長征6号改」「長征7号改」「長征8号」の3種が含まれる。現在いずれも開発作業が順調に進められている。後続の次世代中型ロケットは徐々に現役中型ロケットの後継機になり、引き続き中国製ロケット全体の技術水準、信頼性・適応性・安全性が大幅に高まり、環境にもより一層優しくなるという。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年3月4日