女性の「生理」が、ついに「絵文字」の仲間入りを果たした。国際NGO「プラン・インターナショナルUK」の公式サイトによると、長年にわたり推し進められてきた「生理の絵文字」が、今年2月、ついに実現した。多言語文字コード・ユニコードを制定する非営利団体「ユニコード ・コンソーシアム」はこのほど、「承認されたばかりの新しい絵文字230字のなかに、赤い雫で女性の生理を表現する『生理マーク』も含まれている」と発表した。これらの新たな絵文字は、早ければ今年春にネット上にリリースされる。今後、微信やQQなどのソフトウェアを利用してチャットをする際に、この絵文字を使うことで「生理」を意味することができる。女性問題専門家の多くは、「『生理』マークが絵文字に仲間入りすることで、『生理は恥ずかしいもの』という前時代的な認識から抜け出し、大きな一歩を踏み出すことができる。また、ある側面では、女性の社会権益がますます深く拡大している表れともいえる」と評価している。北京青年報が伝えた。
〇「生理は恥ずかしいもの」という認識が世界的話題に
「生理は恥ずかしいもの」という認識は、もはや特定の国家・地域内の話題ではなく、世界規模での話題となっている。女性の権利保護を推進する団体「プラン・インターナショナルUK」が発表した統計データによると、英国では、「初潮を迎えたとき、これが何のことか知らなかった」と答えた少女は14%に上り、26%が「生理にどう対処していいか知らなかった」と答え、48%が「生理は恥ずかしいもの」と思っており、49%が「生理痛がひどくて授業を休まなければならないことがある」とした。
〇5種類のデザインを提案するも却下
当初、プラン・インターナショナルUKは、「生理マーク」として、「生理用ナプキン」、「月のカレンダー(血の雫の暦)」、「微笑む血の雫」「子宮」「生理用ショーツ」という5種類のデザインを提案した。これら5種類に共通している特徴は、「赤い血」が描かれていることだ。ネットユーザーの投票によって、最終的に「生理用ショーツ」が選ばれユニコード ・コンソーシアムに提出されたが、マイナスイメージが前面に出ていることから、絵文字を規制するユニコード・コンソーシアムはこの提案に「不採用」という決定を出した。
プラン・インターナショナルUKは、これによって諦めることはなかった。昨年、再び新しい「生理マーク」の絵文字を申請した。これは、一滴の赤色の液体のマークだった。これは、プラン・インターナショナルUKと英国民医療保健サービスシステム「NHSBT(イギリス国立血液サービス)」が共同で完成させたマークだった。プラン・インターナショナルUK は2018年7月17日、公式サイト上で、再び申請に関する情報を発表、「2019年には、絵文字を使って生理について議論を交わしたい」とした。
〇新しい絵文字が認可されたことで従来の行き詰まりを打破
ユニコード・コンソーシアムは2019年2月6日、「生理マーク」が世界共通の絵文字の一つとして承認されたことを正式に発表した。また、「これは、女の子や女性が『火急に必要』としている生理を表す方法であり、今回の措置によって生理に関する沈黙、行き詰り、恥ずかしさが打破されるであろう」とコメントした。
プラン・インターナショナルUK女の子権利部門のルーシー・ラッセルさんは、「公で語ることが、『生理は恥ずかしいもの』という古い観念を打ち破る第一歩となる。これまでずっと、誰もが生理について沈黙を守り、婉曲的な表現をしてきたが、このような態度は、女の子に悪影響が及び得る。絵文字の登場だけでこれらの問題が解決されるわけではないが、我々の会話スタイルが変わる助けとなるだろう。世界で生理がある女性8億人に、毎月身体の中で何が起こっているのかを知ってもらうことも、『月経は恥ずかしい』という誤解をなくし、正しい方向にむかう重要なステップとなる」とコメントした。
プラン・インターナショナルUKによると、「生理マーク」は、早ければ今年の春にネット上にリリースされるという。そうなれば、携帯端末やPCで、微信(WeChat)やQQなどのソフトを利用してチャットする際に、「生理マーク」の絵文字を使うことができる。だが、IT業界関係者は、「たとえ『生理マーク』がユニコード・コンソーシアムの承認を得られても、今のところ、それは書類上の出来事に過ぎない。ユーザーが実際に利用できるようになるための鍵は、誰もが使っているアップルやグーグルなどの関連企業が、システム上での運用面で適宜調整を進めることにある」と指摘した。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年2月25日