17日に開かれた2019年亜布力中国企業経営者フォーラム年次総会で、ある医療科学普及プラットフォームの創業者が、「ツルドクダミを食べても髪は黒くならず、クルミを食べても脳みその栄養にはならない。ツバメの巣や阿膠を買う金があるならば鶏卵を食べたほうがましだ。鶏卵のほうがコストパフォーマンスがずっと優れているからだ」とデマを打ち消す発言をした。
すべての食物は消化、吸収、バイオトランスフォーメーション、輸送などの過程を経ることで、血液循環により各種栄養物を全身の各組織や器官に送り届けることができる。食物は人に摂取されると各種栄養物に分解される。そのため、食べたものがそのまま栄養として補われるわけではなく、食物の色や形がそのまま補われるわけでもない。
クルミには脳細胞と組織細胞の重要成分を作るα-リノレン酸が豊富に含まれており、DHAを作り出すため、乳児・児童の脳の発育にとって重要であり、高齢者にとっても脳の老化を遅らせるといった重要な意義があるとされている。しかし、クルミよりもα-リノレン酸が豊富に含まれる食物は多く存在し、しそ油には67%、亜麻仁油には55%、ぼたん油には42%含まれている。このようにクルミがα-リノレン酸を最も多く含んでいるわけではなく、他の多くの食物でも補給が可能となっている。
「脳みその栄養」の意味するところはつまり知能や認知力の向上を指す。クルミや松の実などのナッツを摂取すると、脳の老化を遅らせる効果があり、脳卒中などの罹患率が下がることは、多くの研究によって示されているが、クルミを食べることで短期間の内に人の知能が上がったり、テストの成績が上がることを示す直接的な証拠は現在までに見つかっていない。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年2月21日
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn