大気中のCO2やメタンなどの温室効果ガスの濃度の増加は、世界の気候変動の主因になっている。そのうちCO2は科学界から、「正義でもあり悪でもある」役割と見なされている。新華社が伝えた。
CO2の濃度の上昇は光合成を促す。土壌はCO2を吸収することで「炭素貯蔵効果」を発揮する。その一方でCO2の濃度上昇により、陸地生態系が放出する温室効果ガスが増加し、温室効果を強める。吸収量と排出量のどちらが多いかについては、答えを導き出しがたい。
中国の科学者はこのほど、CO2の濃度が上昇する際に陸地生態系が放出する温室効果ガスが、土壌が吸収・貯蔵するCO2の量を上回ることを証明した。そのため世界の気候変動の中でCO2は主に「悪役」を演じていることになる。関連成果はこのほど、世界的に権威ある学術誌「エコロジー・レターズ」に掲載された。
南京農業大学の鄒建文教授のチームは、世界の観測データ1655件を分析した。その結果、大気中のCO2濃度の上昇により、温室効果ガスの排出量がCO2換算で27億6000万トン増加し、土壌の吸収量の増加分(24億2000万トン)を上回ることが分かった。
鄒氏は、「つまり温室効果ガスは炭素貯蔵効果を打ち消すことになる。今回の研究は人々と気候変動研究者に対し、CO2そのものの温室効果ガスの他に、濃度上昇による二次的な温室効果についても過小評価・無視できないと注意を促している」とした。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年5月14日
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