李克強総理がこのほど日本で第7回中日韓サミットに出席した。複雑で変化に富む現在の国際政治・経済情勢を前に、中日韓の協力強化は3カ国自身の発展にとって必要であるだけでなく、地域の国々及び国際社会の共通した期待でもある。今回の中日韓サミットは協力制度化の成果を築いた。これはアジアの平和・安定・繁栄の促進に対する新たな努力と貢献であり、3カ国が共に努力して協力の新たな章を記す勢いは衰えることなく増している。(文:黄大慧・中国人民大学国際関係学部副学部長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
歴史を振り返ると、中日韓協力は苦労して得たものだ。中日韓は1999年11月にASEANプラス3(中日韓)の枠組で接触と協力を開始。2008年12月に初めてASEANプラス3の枠外で中日韓サミットを開催した。だが、3カ国間の協力は常に順風満帆とはいかず、3カ国の外交関係の変動の影響を受け、協力体制は時に中断した。2012年の第5回中日韓サミットから3年半後にようやく第6回サミットが開催され、それから2年半後にようやく今回の第7回サミットが開催された。自らの発展上の必要性から、また地域の国々の発展という共通の期待のため、中日韓が契機を捉え、適切な時期にサミットを開催したことは、共に努力し、協力・発展するという3カ国の信念をはっきりと示している。
現在に焦点を合わせると、中日韓協力はタイミングが肝要だ。今回の中日韓サミットの開催はちょうどその時にあたる。中日関係の立て直し、朝鮮半島情勢の緩和が、中日韓サミット開催の内在的原動力となった。これは各国が共に努力した結果だ。また、世界経済が好転すると同時に保護貿易主義が台頭していることは、中日韓サミットにとって重点的に対処する必要のある外部環境問題であり、各国が共に困難の解決に努力すべき方面だ。
第1に、中日関係の改善は中日韓協力がより強固な「バラスト」を得たことを意味する。中国は世界第2、日本は世界第3のエコノミーであり、その協力による経済的メリットは大きな波及力と影響力を持つはずだ。だが過去数年間、両国関係は風雨続きで、摩擦が頻発し、上層部相互訪問が中断し、経済・貿易関係が次第に後退した。最近、日本側が対中関係において重要で前向きなメッセージを発したうえ、今年が中日平和友好条約締結40周年であることから、両国は関係改善のきっかけを得た。中日は新たな協力の幕を開けつつある。そして中日関係の安定によって、中日韓協力制度も前向きな推進のための強固な基礎を得た。
第2に、朝韓関係の「砕氷」によって、中日韓協力発展の安定化要因がいくらか増した。中日韓協力にとって朝鮮半島の持つ地政学的意義は重要だ。地域環境の安定性の高まりは地域の発展にとって重要な保障であり、朝鮮半島情勢の緩和と交渉の軌道への復帰は、朝鮮半島問題における中日韓の持続的努力及び緊密な協力と切り離せない。
第3に、米国を始めとする保護貿易主義傾向は中日韓が共同で対処する必要のある挑戦だ。中日韓は共に貿易大国であるうえ、東アジアの生産バリューチェーン上にあり、比較的一致した地域的利益を有する。共通の外的挑戦を前に、中日韓が結束して暖を取る必要性が自ずと高まった。
未来を展望すると、中日韓協力の先行きは明るい。今回中日韓サミットは多くの有効なコンセンサスにいたり、多くの制度化の成果を形成した。特に評価すべきは、李克強総理が打ち出した複数のイニシアティブが賛同を得たことだ。中でも最も際立つものが「中日韓+X」協力体制を構築し、第四国市場を共同開拓することだ。そして、これはまさに3カ国の強みによる相互補完を発揮し、協力の外延を開拓し、協力国の発展上のニーズを満たす有益な選択肢だ。
中日韓協力は東アジア協力の重要な構成部分だ。中日韓はすでに比較的強固で制度化された協力の基礎を備え、これまでの努力が一定の成果を得ている。今後一層の成果を得るには、やはり中日韓が共に努力して、共通利益の拡大をリードし、溝を緊密に管理・コントロール・解消して、中日韓協力を東アジア地域の発展を先導する力強いエンジンにする必要がある。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年5月11日
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