「WTOが中国に荷担論」には、目下の米国国内の経済グローバル化に対する評価基準の変化が反映されている。資本という観点からの評価では、米国の産業資本と金融資本は今なお最大の利益獲得者だ。中国も資本による利益を得てはいるが、規模も利益率も米国に遙かに及ばない。労働力という観点からの評価では、米国の産業労働者が産業移転によって大量の失業者を出したため被害者であり、中国の労働力が農業から工業への転換プロセスで、収入が上がり、生活が改善されたので受益者ということになる。何もかもがうまくいくということはない。経済グローバル化やWTOが米国にとって不利で不平等だというより、米国内の利益の分配調整メカニズムに問題が出たというべきだ。
合意できれば採用すれば、合意できないなら手を引くというのが、米国人のいつものやり方だ。今や、WTOの枠組内で中国に対して早急に制裁を加えるという目的を達成できないとわかった米国は、当初の約束を乱暴に捨て去り、一国主義と保護貿易主義を臆面もなく打ち出してきた。こうした意義からいって、中米貿易戦争の本質は一国主義と他国主義との戦いであり、保護貿易主義と自由貿易との戦いだ。中国は真理と正義の側に立ち、国の核心的利益に脅威となる厳しい課題に直面し、世界共通の利益に危害を及ぼす逆行的な動きに向き合い、「最後まで戦い抜く」しかない。
▽米国が発動した中米貿易摩擦を振り返る
2017年8月18日
米国は中国に対し正式に「通商法301条」に基づく調査を発動
米国のライトハウザー通商代表は、「中国に対し『301条調査』を正式に発動する」と宣言し、中国政府の技術移転、知的財産権、革新(イノベーション)など各分野での実践、政策、やり方が不合理かどうか、差別的でないかどうか、米国商業界に負担や制限をもたらしていないかどうかを調査するとした。
2007年8月24日
中国商務部「必要な措置を執って米『301条調査』に対応する」
米国が中国に対して発動した「301条調査」について、中国商務部は中国の立場を表明するとともに、「中国はこうした一国主義、保護貿易主義のやり方に対し強い不満を表明する。必要なあらゆる措置を執って、中国と中国企業の合法的な利益を断固守り抜く」と述べた。
2018年2月27日
米商務省が中国製アルミホイルにダンピング・補助金の最終決定
米商務省は最終決定を発表し、中国から輸入されたアルミホイル製品にダンピング行為および補助金行為が存在したと認定した。
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