ソニーはこのほど、管理職を除く社員約1万2千人の4月から始まる新年度の基本給と一時金(ボーナス)を合わせた賃上げ率を年間約5%とする方針を明らかにした。基本給の引き上げは15年ぶり。
ソニーは画像センサーやゲームの事業が好調となっている。ソニーは今年2月、2018年3月期の最終的なもうけを示す連結純利益(米国会計基準)が4800億円になるとの見通しを発表した。ここ20年間で最高の利益で、それに伴い業績も大幅に回復している。それらを背景に、ソニーは、社員約1万2千人の賃金水準を4月から引き上げる方針を固めた。基本給の引き上げは15年ぶりだ。日本の企業の賃金には、基本給のほか、各種手当、夏と冬のボーナスも含まれる。
ソニーの2月の発表では、管理職を含む従業員の平均年収は910万円と、日本の平均422万円の2倍以上となっている。
ソニーが賃上げ率を、他の大企業の2%を超える5%にしたのは、業績が大幅に改善していることのほか、人材の流出を阻むための措置との分析もある。現在、日本のIT業界を代表とするハイテク人材は約20万人不足していると推計され、うち5万人が人工知能分野の人材だ。ソニーは、賃上げ率を大幅に上げることで、人材を引き留め、今後も最先端テクノロジー分野の核心的競争力を保ちたいと考えているようだ。昨年、中国の通信機器大手・華為(ファーウェイ)の日本での大卒初任給が40万円と、平均20万円の2倍だったため、大きな話題になった。近年、世界中でハイテク産業の人材が不足しており、各国の人材争奪戦が一層熾烈になっている。そのため、日本企業が今後も賃金制度を徹底的に変えないのであれば、世界で繰り広げられる人材争奪戦で、一層不利な立場に立たされると見られている。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年4月9日
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