中国青年報社社会調査センターがこのほど問巻網と共同で会社員1980人を対象に実施した調査によると、回答者の50.7%が「残業が多い」と答え、53.0%が「残業が多すぎると従業員の身心の健康だけでなく、企業の長期的発展にも悪影響を及ぼす」、44.1%が「残業が多すぎると仕事の効率が下がり、従業員は何かと後回しにするようになってしまう」と答えた。そして、58.8%が「会社は合理的に仕事、従業員の役割分担、プロセスを計画したほうがいい」、44.6%が「会社は健全な労働時間を協議するメカニズムを構築したほうがいい」との見方を示した。中国青年報が報じた。
46.6%「業務量過多のため残業せざるをえない」
北京のプログラマー・劉佳亮(仮名)は、月曜日から金曜日まで毎日残業しなければならないこともあるといい、「残業代はないが、残業でこなした仕事に歩合が付くことはある」と話す。
深センのあるIT企業で働いている徐恵さん(仮名)も時々残業があるといい、「各部門によって残業の状況も違い、私が所属している部門は会社の中心的な部門ではなく、自分の仕事効率もいいため、残業は比較的少ない。でも、中には仕事量が多く、やるべき業務がたくさんあるため、残業せざるをえない部門もある。例えば、新製品がしょっちゅう出るため、うちの会社で製品を作っている同僚の仕事は大変。どの製品も、確認作業が多く、残業が常態化している。ある同僚は昨年、5日ある有給休暇を全く取れなかった。1日休むと、その日の仕事を補うためにとても多くの時間が必要になるため、休まないほうがマシだから」と説明した。
調査では、一週間に何度残業するかについて、回答者の48.4%が「少なくとも1回」、19.4%が「2-3回」、5.2%が「ほとんど毎日」と答えた。「1ヶ月に1-2回」との回答は44.7%で、「残業したことは1回もない」との回答は5.5%にとどまった。また、46.6%が「ほとんどが必要に迫られて残業している」、33.6%が「ほとんど自主的に残業している」、19.8%が「何とも言えない」と答えた。
残業する理由については、回答者の46.6%が「膨大な量の仕事をこなすため」、40.5%が「残業量が成果を測る指標の一つだから」、36.9%が「経済的プレッシャーが大きく、残業代を少しでも多くもらいたいから」、28.8%が「出世するためには、上司に良い印象を持ってもらわないといけないから」、24.3%が「仕事をよりよく仕上げるため、自主的に残業している」と答えた。
調査では、回答者の50.7%が「残業が多い」と答えたのに対して、30.5%が「多いとは思わない」と答え、18.9%が「何とも言えない」とした。
北京師範大学労働力市場研究センターの頼徳勝主任は、「労働時間に関する国の明確な規定がある。しかし、残業が依然として大きな問題となっている。その理由の一つは、企業が払う給与が少なく、残業代を少しでも多くもらいたいと思っている人が多いからだろう。そのような現象は製造業で多くみられる。例えば、出稼ぎ労働者は、残業代がなければ、給与はとても少なくなってしまう。その他、残業代がもらえないのに、残業が常態化している企業もある。特に、立ち上げ段階の会社にその傾向が見られる」と分析する。
53.0%「残業が多すぎると企業の長期的発展にも悪影響」
調査では、回答者の42.9%が「残業は自分にマイナスの影響を及ぼす」と答えたのに対して、22.6%が「プラスの影響を及ぼす」と答えた。また、25.8%が「何とも言えない」、8.7%が「何の影響もない」と答えた。
前出の徐さんは、「残業には反対しないが、残業は、自分がこなせる範囲の仕事量を終わらせるためのもの、もしくは従業員がもっと改善できる部分があると感じて自主的に行うべきもので、残業が常態化するのは良くない。今の会社は残業時間を考慮して、仕事を従業員に振り分ける。でも、交代での休暇や残業代の支払いなどは、規定通り行われていない」と訴える。
調査では、回答者の53.0%が「残業が多すぎると従業員の身心の健康だけでなく、企業の長期的発展にも悪影響を及ぼす」、44.1%が「残業が多すぎると仕事の効率が下がり、従業員は何かと仕事を後回しにするようになってしまう」と答えた。また、37.1%が「残業が多ければ、企業により多くの価値をもたらす」、35.3%が「労働者の合法的権益を侵害している」、34.6%が「長期的にギリギリの状態で運営していると、健全な勤務習慣が形成されない」、30.6%が「緊急事態に対応するために残業するのはいいが、残業が常態化するのはよくない」と答えた。
頼主任は、「企業には社会的責任を負っているという自覚が必要で、利益を追求すると同時に、従業員の合法的権益を守り、従業員が長期的にキャリアを積める環境を用意しなければならない」と指摘する。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年3月30日
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