フォンダンケーキを作り続けて6年になる「80後」(1980年代生まれ)の周毅さんは最近そのケーキの完成度の高さからネット上で有名人になっている。周さんの微博(ウェイボー)の最も人気の高い投稿にはすでに1万件以上のコメント、7万回以上の「いいね」が寄せられており、これらの数字は現在も増え続けている。中国新聞網が伝えた。
周さんの微博には最近、「この作品はフィギュアよりも完成度が高い!」、「中国要素あふれるデザインで、とても美しい!」などのコメントがネットユーザーたちから次々と寄せられている。
ネットユーザーたちは、周さんのチームがこのほど世界ケーキコンテストで表彰された数点の受賞作品に賞賛の声を寄せている。同コンテストで、周さん率いるチームは金賞3つ、銅賞2つを受賞するという輝かしい成績を収めた。そのうち、周さんが手がけた作品「武則天」が金賞、「酔臥忘憂境」が銅賞を受賞した。世界ケーキコンテストの公式サイトを見ると、金賞受賞作品の「武則天」には、「1st-International Best in Show」というタイトルが添えられ、「世界で一番美しい」と評価されている。
この作品は確かに驚くほど美しい。椅子の上には中国古代の衣装をまとった1人の美女が座っており、その女性のポーズや眼差しはまるで今にも動き出しそうなほど。そしてまつ毛1本1本にいたるまで細かく作りこまれている。女性のそばには灯籠、香炉、盆栽、巻物が置かれ、後ろには屏風が飾られている。それら全てがケーキの一部であり、食べられるのだという。
周さんは、「私は以前、食べ物を使った彫刻や、しん粉細工(練り粉で作った人形)作りを経験したことがあり、フォンダンケーキ作りを始めていくうちに、これらの中国の伝統的な食品アートの要素をフォンダンケーキの技術に取り入れるようになった。そのおかげで、この分野で誰も作ったことがないような作品を作れるようになり、『驚くほど美しい』という審査員の評価につながった」と語った。
また、「キャラクターの衣装は1枚1枚重ねるように着せていく。従来の砂糖でコーティングする手法とは全く異なり、私たちが使う手法はよりリアルに作品を作り上げられるが、その分、難易度はかなり高くなる。今回作ったようなタイプの作品は、先にキャラクターの体を作り、そこから服を1枚1枚を着せていくことになる」と周さん。
周さんのチームの作品の中には随所に中国要素が見られる。これについて周さんは、「コンテストに参加する前に最初に思いついたのは、中国文化を表現することだった。『武則天』を作る前に最初に思いついたのは、中国の皇帝を描いた作品だった。そのときに東洋女性の淑やかさを表現したかったので、唐代の女帝・武則天(則天武后)の若い頃をモチーフにしたキャラクターを作ることにした」と話した。また、「酔臥忘憂境」は周さんがいつも愛読している仙侠をテーマにした小説から発想を得たもので、「斗戦勝仏」の中の孫悟空は制作者の子供時代の記憶からアイディアを得たという。
審査員は評価する際にケーキを切るのが普通だが、周さんのチームが制作したケーキを見た審査員はあまりの完成度にケーキのキャラクター部分を切ることがもったいないとし、他の部分だけを切ることにした。「この作品はあまりに美しく、切るのがもったいない」と話したという。また、周さんは、「今回表彰されたケーキは食べずに保存する。フォンダンケーキはしっかりした保存状態を保てば、長く保存できる。私が知っているケーキの中には100年以上保存されているものもある」と語った。 (編集YK)
「人民網日本語版」2017年11月16日
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