人民文学出版社の「中国の詩カレンダー2018」
カレンダーは、壁かけタイプから、卓上カレンダー、日めくりカレンダーまで種類もさまざまで、図書市場の主力的存在となっている。そして、二年ほど前と比べて、今年は日めくりカレンダーをめぐる各社の戦いが一層過熱しており、まだ年末にもなっていないにもかかわらず、すでに60種類近くのブック型カレンダーが発売されている。業界内の専門家は、カレンダー発売は12月にピークを迎え、ブック型のカレンダーの種類は100種類以上と、昨年の60-70種類を大きく上回ると予想している。北京日報が伝えた。
今年のブック型カレンダーをめぐる激戦には、出版社、新メディア、文化機構などが参戦。有名な詩、書籍、健康、博物、アート、建築物、文化財、子供向けなどの分野で争奪戦を繰り広げている。
中華書局「中華の詩カレンダー」
これまでブック型カレンダーの分野には参戦していなかった中国地図出版社、中国中医薬出版社、地質出版社などの出版社も、自社の特徴を生かして、「列国図志・世界カレンダー」、「本草綱目健康カレンダー」、「宝石カレンダー」などを打ち出している。人民文学出版社も初のブック型カレンダー「中国の詩カレンダー2018」を発売した。出版社にとって「想定外」だったのは、発売と同時に好評を博している点だ。「中国の詩カレンダー2018」の編集者である胡文俊氏は、「2万冊印刷したものの、発売から2週間で売れ筋ランキングにランク入りし、在庫はほとんどない状態」と説明した。
今年はブック型カレンダーは種類が豊富であるほか、発売日を早めて「先手必勝」を狙う傾向が強まっている。書店「単向空間」の文化クリエイティブ商品事業部の塔立那・総経理によると、「昨年、同社は9月15日に卓上型の日めくりカレンダーを発売したものの、今年は8月21日に発売した。最新の販売統計によると、今年はすでに10万冊以上売れた」という。一昨年の販売数は7万冊、昨年は15万冊だった。「3年模索した経験により、発売日は早ければ早いほうがいいことが分かった」と塔立那総経理。
「単向空間」の卓上型日めくりカレンダー「単向歴」
数年の積み重ねを経て、日めくりカレンダーも「クリエイティブ」がトレンドとなっている。「単向空間」の卓上型の日めくりカレンダーは今年7月、ドイツ・エッセンのDesign Zentrum Nordrhein Westfalen(ノルトライン=ヴェストファーレンデザインセンター)が主催する国際的なプロダクトデザイン賞であるレッド・ドット・デザイン賞を受賞し、業界では「伝説を作った」と称賛されている。受賞理由は、「伝統と現代技術をうまく融合し、人の心を打つ。また、シンプルで、明瞭なデザインも魅力」だった。
日めくりカレンダーは新たな人気商品となっているものの、コピー商品や模倣品も続々と登場している。
中信出版集団の「春去夏犹清:唐詩宋詞カレンダー二〇一八」
クオリティの高い商品も低い商品も混在する市場を前に、一部の出版社は冷静な姿勢を示している。例えば、中華書局は昨年、ブック型カレンダーを6種類発売したものの、今年は2種類に抑えた。
その点について、中信出版集団の盧俊副編集長は、「現在、ブック型カレンダーの販売数は、市場全体でも年間200-300万冊。シェアはまだまだ小さい」とし、「同市場はまだ成長段階なのかもしれないし、急速に衰退するかもしれず、色々な可能性が考えられる」と判断したという。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年11月7日
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