このほど、中国各都市の戸籍に関する戸籍取得政策が次々と打ち出され、「北京、上海、広州を離れる」現象が再び注目の話題となっている。なかでも武漢、長沙、成都、済南などの省都と重点都市は、新卒生を初めとする人材を確保するため、「住宅賃貸で戸籍取得可能」、「就職後に戸籍取得可能」、「住宅購入補助金の支給」といった優遇政策を次々と打ち出している。
▽戸籍取得制度の緩和と完備
戸籍に関する新しい制度を打ち出した重点都市はいずれも、戸籍取得に対し制限する条件を設けた。例えば、河南省鄭州市の戸籍取得条件には、加入した城鎮社会保険の年限は2年を超してはならないと決められている。また、江西省南昌市は2年以上、合法的で安定した住居(賃貸物件を含む)を有し、かつ城鎮社会保険に加入することを条件としている。
中国人民大学の国家発展・戦略研究院の研究員で、中国人民大学経済学院副教授の孫文凱氏は、各都市が次々と打ち出している新しい戸籍政策は、中央政府の戸籍改革の大きな枠組みの下で行われており、供給側の構造改革を推進するための具体的な施策でもあると指摘している。
公共資源分配の不均衡の問題を解決するため、規模の特別大きい都市は戸籍取得条件を設けている。それにより、都市を秩序よく発展させ、モデル転換の実現を可能としている。
▽人材を惹きつけるため、次々と優遇政策を打ち出す各都市
江蘇省南京市は、大学新卒生であれば直接戸籍の取得申請可能という政策を打ち出し、湖北省武漢市は、卒業3年以内であれば、住宅を購入しなくても戸籍の取得申請を可能とし、四川省成都市では、卒業証明書だけで戸籍取得を実現できるとしている。
また、卒業生に賃貸物件や住宅購入補助金を支給する都市もある。武漢市では、卒業後3年間武漢に就職・居住する住宅を持たない大学生を対象にし、その最長賃貸期間を3年間とした3605部屋からなる大学生人材アパートを建設する計画だ。長沙市は現地で働く大学卒業生に対し、2年間にわたり家賃・生活手当を支給し、手当は最高で年間1.5万元(1元は約16.8円)に達する場合もある。
更に、ハイレベル人材に対し、各地では巨額を投じて人材獲得を行っている。例えば、厦門市はトップレベルの人材グループには1000万元から1億元までの補助金を支給するとし、杭州市で働く学歴が修士以上または海外からの帰国人材は2~3万元の一時金生活手当を取得するチャンスがあるという。
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