ポーランドで7日から8日にかけて行われた国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第41回世界遺産委員会で、中国からは、無人地帯で原始的な自然状態がほぼ完璧に維持されている青海省の可可西里(フフシル)と、アモイ・デコ様式発祥の地として、それを体現した優れた建築物群が残る福建省の鼓浪嶼(コロンス島)が「世界遺産リスト」に登録され、中国の世界遺産は計52件となった。今年は中国の世界遺産初登録30周年にあたり、長年連続して世界遺産に登録に成功するという嬉しいニュースの一方で、これらを冷静に受け止め、中国の世界遺産の保護水準を向上させ続けていくべきだろう。人民日報が伝えた。
中国は1985年に「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」に加入して、1987年に第1陣となる6件の世界遺産が登録され、そして世界遺産登録件数で一気に世界第2位となり、さらには大運河やシルクロードなどの巨大な世界遺産を擁する国として世界から注目を集め、中国の世界遺産は優位性を持つようになり、幅広い発展を見せている。
10年以上連続で世界遺産の登録に成功したことは非常に喜ばしいことではあるが、現在中国は冷静な考えを保って、現状を省みて、慎重な態度を取るべきだ。中国は他の世界遺産大国と比べて、依然として大きな開きがある。世界各地では程度の差こそあれ、「登録を重視し、管理を怠る」という現象が見られ、「世界遺産登録ブーム」によって目先の利益を追求するという悪い風潮が生まれている。世界遺産登録される前は多くの社会資源を使って保護・展示に徹するが、登録された途端に商業開発に転換し、その後の管理・保護を軽視し、世界遺産はその安全性が脅かされ、ひいては破壊されてしまうと言った具合だ。例えば、麗江古城は何度も火災事故に見舞われ、清東陵と明十三陵文化財は立て続けに盗難に遭い、世界遺産に対する持続的な保護認識に対して曖昧で軽薄な態度が明るみとなった。
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