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日本で活躍する中国人作家・毛丹青:相手の力を借りて中国文化を日本で開花させる (3)

「中日文化の枠を越えて活躍する人々」インタビュー 第二回

人民網日本語版 2017年06月29日13:30

人民網の取材を受ける毛丹青氏

中国について知る:自分で見たものこそが真実

作家や翻訳者以外に、毛さんは神戸国際大学の教授も務めている。毎年夏休みになると、日本の学生を連れて中国へ行き、日系企業を訪問して、日本人駐在員に中国での生活や仕事について学生たちに向けて話してもらうようにしている。「中国にいる日本人の中国に対するイメージのほうが、真実に近いと信じている。学生たちも中国へ来ると、大きく変化する。このような体験を通して、教室では見ることができないものを見られ、中国に対する興味も大きくなる」と毛さん。

又吉さんは中国に来る前に、日本メディアの取材に応じ、「テレビで上海浦東に摩天楼がたくさんあるのを見て、スケールの大きな都市だと思った」と語った。毛さんは、今回中国初訪問の又吉さんに、すぐに中国に関する知識を詰め込もうとはせず、「中国に行く前に、又吉さんにどんな準備をしておくべきか、どんな本を読んでおくべきかなどは言わなかった。彼には真っ白な状態で中国の環境に入ってもらって、現実の中でいろんなことを感じてもらいたかった」と話す。東京に帰り、又吉さんは毛さんに、「中国がとても気に入った。また行きたい」と話したという。

04年、毛さんは莫言さんと共に北海道を訪問した。莫言の小説「転生夢現(原題:生死疲労)」の最後の場面のインスピレーションは北海道で得たという。「この2つの事に関連性があるかは分からないが、文化交流においては、個人の交流も非常に重要だと思う。文学には、目にした風景を自分の文学王国に盛り込み、多くの人に見てもらうことができるという力がある」と毛さん。

02年に大江さんが莫言さんの故郷を訪問した時のことを振り返り、毛さんは、「莫言さんの故郷にいく途中で、大江さんがあぜ道に立って突然涙を流すという一幕があった。大江さんは、『初めて地平線を見た』と言っていた。彼の実家は山地にあり、地平線を見たことがなかったのだ。果てしなく広がる景色を見て、感極まっていた」と話してくれた。「人と人の交流は感情的なことで、文学や文化を超えて、人と人、国と国が出会うことができる。これはとても素晴らしいことだ」。(編集KN)

「人民網日本語版」2017年6月29日


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