日本の安倍晋三首相は、5月に中国で開催される「一帯一路」(the belt and road)国際協力サミットフォーラムに自民党の二階俊博幹事長を派遣することを決めた。この情報が25日に伝わると、メディアではさまざまな憶測が広がった。日本の共同通信社は、朝鮮が経済的に中国に依存するとともに、核・ミサイルの開発推進計画を強行する中、日本は中国と幅広いパイプをもつ二階氏を派遣することで、日中関係を強化するねらいがあると報じた。「環球時報」が伝えた。
二階幹事長は25日の記者会見で、中国を訪れ同フォーラムに出席することを明らかにし、「朝鮮問題をはじめとする国際情勢の下、日中が意見交換をすることは極めて重要だ。自民党は与党として日中関係改善への努力を重視している」と述べた。同じ日に中国外交部(外務省)の耿爽報道官も、「二階幹事長が中国に来て『一帯一路』国際協力サミットフォーラムのハイレベル会合に参加する予定」と裏書きした。また日本の菅義偉内閣官房長官は、「世耕弘成経済産業大臣についても対応を検討している」と述べた。
「日本経済新聞」の報道によると、「(二階俊博幹事長の)訪中には政府関係者や経団連の榊原定征会長らも同行する」、「中国指導部の要人と会談し、日中関係の改善策を話し合う。朝鮮に影響力を持つ中国に建設的な役割を促したい日本政府の考えも伝える見通しだ」という。共同通信社は、二階幹事長は中国最高指導者と会談する可能性を模索しており、安倍首相の親書を持参する可能性もあると報じる。
ロイター社は次のような見方を示す。二階俊博氏は自民党の重鎮で、党内での序列は安倍首相に次ぐ。朝鮮半島情勢が緊迫化する中、安倍首相が二階幹事長を同フォーラムに派遣することから、中国との関係改善を望む姿勢がうかがえる。だが日本は中国が後押しするアジアインフラ投資銀行(AIIB)には引き続き慎重な態度をとっており、AIIBは今後、「一帯一路」イニシアティブに一定の資金提供を行うとみられる。安倍首相の顧問を務める柴山昌彦内閣総理大臣補佐官は、「中国はAIIBの管理において主導的役割を果たしており、我々は引き続きAIIBに慎重な態度をとり、AIIBの透明性をさらに詳細に見極める必要がある」と述べた。
中国現代国際関係研究院日本研究所の劉軍紅研究員は25日、「日本政府はこれまで『一帯一路』イニシアティブに冷淡な反応をみせていた。日本は目下、インフラ輸出戦略を推進しており、中国の『一帯一路』イニシアティブに対しライバルになるのではとの懸念を抱く。今回、二階幹事長が派遣されて『一帯一路』サミットフォーラムに出席することを、中国側は歓迎するはずであり、これは中日関係にプラスの影響をもたらすことになる。とはいえ両国の具体的な問題や対立がこれによって解決するというわけではない」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年4月27日
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