世界保健機関(WHO)の試算では、PM2.5関連の戸外の大気汚染により、毎年世界の300万人以上が早死にしているという。ネイチャー誌が30日に掲載した研究成果は、世界の貿易活動によって生じる、PM2.5の国境をまたぐ汚染による健康への影響を始めて明らかにした。科技日報が伝えた。
清華大学地球系統科学系の張強氏のチームと環境学院の賀克斌氏のチーム、北京大学物理学院大気・海洋科学系の林金泰氏のチームが指導する国際研究チームが共同で同研究を実施した。張氏は「汚染物の排出は主に現地の大気の質に影響を及ぼし、一部のみが大気中を長距離移動し別の地域に影響を及ぼし、しかもその距離が遠くなるにつれ影響が弱まると思われていた。しかし国際貿易によるPM2.5の国境をまたぐ汚染の水準は、大気中の長距離移動による国境をまたぐ汚染の水準をはるかに上回ることが分かった。国際貿易により、商品の生産は最終消費地域から別の地域に移転する。商品の生産による汚染物の排出もこれによって移転し、そのため大気中の汚染物排出の時空分布の特徴が変わり、各地の大気の質と人々の健康に影響を及ぼす」と指摘した。
張氏は「欧米で消費されている玩具には中国で生産されるものがある。これにより中国で汚染物が排出され、大気汚染が生じる。こうして欧米の消費行為が国際貿易を通じ、中国の大気の質と人々の健康に影響を及ぼすことになる」と語る。
賀氏は「研究によると、国際貿易により中国、インド、東南アジア、東欧などのPM2.5など大気汚染の発生日数や早死にする人の数が増える。米国、西欧、日本などでは早死にする人が減少する。これは汚染が国際貿易により、先進的な地域から発展途上地域に移ることを示している」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年3月30日
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