中国検索大手・百度の自動運転車がこのほど、北京で実際に使用されている高速道路で自動運転の路上試験を行った。車体は一般的な車がベースで、構造はほぼ同じ。車内には多くのコードと数台のパソコンがある。運転手は運転席に座るが、両手でハンドルを握ることも、両足でブレーキやアクセルを踏むこともない。もう一人が後部座席に座り、パソコンを操作する。後部座席の技術者は「この車には目と脳が内蔵されている。目はルーフとボディに、脳は車内と荷台にある」と説明した。人民日報が伝えた。
百度ディープラーニング実験室長の林元慶氏によると、百度自動運転車は人工知能(AI)を利用し、カメラ、レーザーレーダー、ミリ波レーダー、GPSなどのシステムで周辺環境を感知し、最適な走行ルートを選択し、人の手による干渉を必要としない全自動運転を実現する。
専門家によると、自動運転により移動中の安全性が大幅に高まる。人が運転する場合、緊急事態発生からブレーキを踏むまで通常0.6秒が必要で、油圧システムがブレーキの効力を発揮するまで0.6秒かかり、合計で1.2秒となる。未来の自動運転車の反応時間は、わずか0.1-0.6秒のみ。現時点で0.2秒という記録もある。さらに将来的には油圧ブレーキの代わりに電動ブレーキが用いられることになり、自動運転車は0.2秒内に緊急ブレーキが可能になる。これは人の平均1.2秒より1秒も短く、これにより命が助かるケースが増えると見込まれている。
また運転手の安全な視距離は50メートルほどだが、自動運転車の中長距離レーダーやカメラなどのセンサーは、200メートル以上の超視距離スキャン・観測が可能だ。さらに重要なことに、AIを搭載する自動運転車は人間のように疲れを感じることはなく、感情に妨げられることもない。酒酔い運転や、運転中のスマホ操作などの問題もない。
楽視超級汽車(中国)スマート運転事業副総裁の倪凱氏によると、自動運転が実用化されると、人の操作ミスによる交通事故率を大幅に下げ、交通の効率を高めることになるとしている。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年3月24日
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