青島海洋科学・技術国家実験室が21日に発表した科学研究成果によると、地球温暖化が北京市における深刻な煙霧が発生する確率を高くしていることを明らかにした。新華社が伝えた。
海洋国家実験室のトップレベルの科学者である蔡文炬氏と、海洋国家実験室主任で中国科学院院士の呉立新氏らが、この研究成果をまとめた。
蔡氏によると、一般的には汚染物質の排出が煙霧の原因とされているが、気象要素の影響も同じく無視できないという。北京で冬に煙霧が発生する際には、地表付近の北風と対流層中層の北西の風が弱まり、しかも低層の大気層の安定性が高まる。これにより煙霧のスムーズな拡散を妨げる気象条件となり、蓄積によってさらに深刻な煙霧に発展する。研究結果によると、温暖化により北京の煙霧拡散に不利な気象条件が発生する確率は、20世紀と比べ50%上昇しており、その持続時間は80%延びている。この変化は地球温暖化による低層の大気の急激な気温上昇、東アジアの冬の季節風の弱まりなど、一連の大気の変化と密接に関連している。そしてこれが冬の北京で深刻な煙霧が発生する確率を高めている。
蔡氏によると、この研究成果は煙霧が深刻なすべての都市に当てはまるわけではないとしている。なぜなら、都市によって地形、汚染物質の出処と方角、気象条件などが異なり、煙霧に影響を及ぼす要素も異なっているからだ。
世界的に有名な学術誌「Nature Climate Change」が20日、この研究成果を発表した。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年3月23日
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