オハイオ州立大学とフロリダ国際大学の共同研究によると、家庭内で猫を飼うことで、子供の学校での成績に影響が生じる可能性があるという。なぜなら猫の腸内のトキソプラズマが、人を含む哺乳類の脳に伝染することで、子供の記憶力と読解力が低下するというのだ。生命時報が伝えた。
トキソプラズマはネコ科の腸内の寄生虫で、人間の場合、火が完全に通っていない肉やきれいに洗っていない果物や野菜、あるいは猫のフンを処理する時に感染する。研究者によると、世界の3割以上の人の体内にこの寄生虫が存在し、一部の国では7割にも達するという。人や動物の体内にこの寄生虫が入ると、感覚と性格に変化が生じることがあるという。これまでの研究では、ネズミが感染すると猫を恐れる本能を失い、行動がより軽率になることが分かっている。
同研究により、トキソプラズマの脳への影響が、これまで考えられていたより深刻であることが証明された。研究者は家庭内で猫を飼っている12−16歳の児童1755人の調査を行い、血液サンプルの分析を実施した。その結果、約135人が猫から、トキソプラズマに感染していた。さらに児童に筆記試験を行ったところ、陽性だった児童の読解と記憶力の点数が低かった。男児の読解の点数は7%、女児は11.31%低かったが、数学と推理能力に影響は見られなかった。
研究者は、寄生虫が非感染者の脳内のドーパミンの分泌を変えた可能性があるとした。ドーパミンというこの神経伝達物質は学習、記憶、注意力の中で重要な力を発揮する。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年3月15日
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