中国人科学者は西南地区で発見された高濃度ウラン石筍の研究を行い、5万8000年前から7万9000年前までのアジアの夏の季節風の変化の歴史を正確に再現し、6万年前のアジアの夏の季節風の変化が、熱帯海洋及び南半球の気候の大きな影響を受けたことを発見した。研究成果はこのほど、国際的な第四紀研究誌「Quaternary Science Reviews」に掲載された。新華社が伝えた。
同論文の筆者、西南大学地理科学学院の李廷勇副研究員は国内外の大学と協力し、放射性崩壊序列の手段により、集めた石筍のサンプルの研究を行った。ある石筍は、5万8000年前から7万9000年前までに形成されたことが分かった。またこの石筍の高分解能酸素同位体比の変化の記録と結びつけることで、研究チームは5万8000年前から7万9000年前までのアジアの夏の季節風の変化の歴史を正確に再現した。
研究によると、6万4000年前から6万年前までのアジアの夏の季節風には、強から弱への緩慢な変化があった。この変化形式は、南極の気温変化やインド洋の海洋データと一致するが、グリーンランドの気温変化とは異なる。李氏は「これはアジアの夏の季節風の変化が、定説とされていた北半球高緯度地区の気候変動の影響を受けるほか、南半球の気候変動からも大きな影響を受けることを意味している。現在の地球温暖化、異常気象の多発を受け、この研究成果は同時間帯の異常気象の正確な分析の参考資料になる。また地球の気候変動の法則と相互影響、異常気象参考模型の構築などに対して重要な意義を持つ」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年3月1日
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