なぜ「空の巣青年」となるのか?
「報告」では「空の巣青年」が大都市に住み続けることを選択する原因は主にチャンスがより多く、より適応しやすいからだとしている。
四川大学の心理健康教育センターの王英梅准教授は「空の巣青年」現象の誕生には様々な原因があるとしており「1つには社会経済の発展の不均衡にある。大都市には雇用機会が多く、待遇レベルも地方に比べ優れているからだ。そして国の都市化政策は実際のところ始まったばかりで、まだ完全とは言えず、将来性には非常に限度がある点もその原因として挙げられるだろう。さらにこれらの若者たちはまだ人生における過渡期にあるので、彼らの両親のほとんども住み慣れた田舎を離れて大都市で生活することを望まないからだ」と分析している。
専門家は「引きこもらず、積極的に社交的な活動に関わるべき」とアドバイス
「空の巣青年」は単なる1つのグループの名称というだけでなく、この種の人々が現代社会の中でますます増えてきており、軽視できないレベルになってきていると多くの専門家は指摘している。彼らは自分の生活コミュニティに引きこもり、社会的な交流は減少し、それが長期化することでさらに多くの問題を引き起こす原因ともなっている。つまり心理的な問題や結婚・恋愛問題などだ。
王英梅准教授は現在ほとんどの人がスマホ族やパソコン族であるため、インターネットで自分に適した社交的な活動を探すことも難しくは無いとしている。
また浙江省社会学学会の楊建華副会長は「空の巣青年自身がなるべく外出することを心がけるだけでなく、社会もまた彼らを思いやるべきだろう。例えばこうした若者たちが互いに心の交流を図れるように、職場で年越し期間中に何らかのイベントを企画するなどだ」としている。
王英梅准教授は5年先または10年先にはこうした「空の巣青年」現象にも変化がおとずれるかもしれないとの見方を示し、その理由として「社会の潮流に変化が生じ、地方の新たな価値観の向上と国の起業へのサポートが進むにつれて、これらの若者はいくらかの経験を積んだ後で、Uターンを選択するかもしれないからだ」としている。(編集TG)
「人民網日本語版」2017年1月23日
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