スポーツファンに指摘を受けることがないよう、細かいアクションにまで気を配り、かつストーリーもおもしろくしなければ売れることはないため、アニメの中でもスポーツアニメは難しいジャンルとされてきた。スピードと繊細なテクニックを競うフィギュアスケートを2Dアニメで表現するとなると、そのハードルはさらに高いものとなる。バスケットボールやサッカーと比べると、普及率の低いフィギュアスケートを題材にしたアニメを作る場合、どのようにして人気を獲得すれば良いのだろう。日本のフィギュアスケートをテーマにしたテレビアニメ「ユーリ!!! on ICE」は放送開始と共に大ヒットとなり、東京アニメアワードフェスティバル(TAAF)が主催の「アニメファン・みんなが選ぶベスト100」では、2位と1万票以上の差を付けて1位となった。(文:童薇菁。文匯報掲載)
「ユーリ!!! on ICE」は、大スランプに陥っていた主人公の勝生勇利が、世界選手権5連覇を成し遂げたヴィクトル・ニキフォロフの指導を受け、自信を取り戻し、グランプリファイナルに進む実力を少しずつ身に付けていくというストーリーだ。プレッシャーに弱く、太りやすい体質であるにもかかわらず、800カロリーはあるかというカツ丼の大盛りが大好物という、天才型とは全くかけ離れた勇利だが、男子スケート王者のヴィクトルは、勇利にスポーツマンシップがあることを発見する。
同アニメでは、フィギュアスケータ―の練習や試合の様子がリアルに描かれている。実際には、試合で見せる優雅で華麗な演技の背後には、過酷な練習やあまり知られることのない悩みがあり、少し体重が増えただけでコーチに叱責され、血のにじむような練習をさせられたり、気の合う振付師についてもらうことができず、モヤモヤした気分になったりすることもある。また、スランプに陥り、1シーズンを簡単に棒に振ってしまうことさえあるという。同アニメで、勇利が、各国のフィギュアスケート選手たちと切磋琢磨しながら見せる喜怒哀楽は、若い人の心を鷲掴みにしただけでなく、世界の有名フィギュアスケート選手たちのハートをもつかんでしまった。
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