細分化が進む読書のジャンル
出版界の著名人である路金波氏によると、各種メディアが期せずしてほぼ同じ時期に推薦図書ランキングを打ち出したことには社会的な原因と深く関わりがあるのだという。
路氏は「インターネット技術の進歩、特にソーシャルメディアの発展に伴い、書籍を簡単にそして効率よく読者に届けることが可能となった。これは10年前には想像もできなかったことだ。その昔、新聞の書評欄や雑誌の専門コーナーにおける書籍の推薦はその対象が非常に狭く、その多くは知識層の好みに合わせた学術的な価値や読書家を気取った偏向的な書籍が多かった。しかし現在の推薦図書はそのメディアプラットホームのファンと流量から選ばれており、共通の読書の好みをもつため、その推薦図書の効率も大いにアップしている」とした。
読書産業が拡大していくにつれて、その種類もさらに細分化されつつある。この細分化とは書籍という商品だけを指すのではなく、その読書方法や読者にも同様の変化を及ぼしている。
図書出版の角度からみると、その書籍のジャンルが増加し続けているだけでなく、人々に異なる読者層やジャンルの書籍を提供している。例えば児童書を例にあげると、児童書のカテゴリには科学普及図書、アニメ・コミック、幼児向け啓蒙図書、軍事関連図書といった数多くのジャンルが含まれる。
さらに細分化が進んでいるのがその読書方法だ。紙媒体図書と電子書籍のほかにもさまざまな読書を扱ったスマホアプリやオーディオブックといったマルチメディアも多くの人々の読書方法となりつつある。今では通勤中や仕事の合間に携帯電話などで読書したり、本を聞いたりといった光景もしばしば目にすることができる。
ヒマラヤFM連合の創始者兼共同CEOの余建軍氏はオーディオブックというメディアが持つ特性は、人々の日常生活のちょっとした空き時間などを有効的に利用して読書を楽しむことができるという見方を示し、「異なるメディアの異なるコンテンツを通じて、国民が読書する土壌を形成していくことは、いわば社会の発展において必然のことだ。こうした新しい方法は異なる角度から人々の読書習慣を養っていき、細分化された人々の様々なニーズを満たしてくことになるだろう」としている。(編集TG)
「人民網日本語版」2017年1月5日
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