日本では現在、「偽装結婚」が話題となっており、それが人気のドラマや映画にも反映されている。そのテーマが冷めることなく話題になり続け、特に近年はそのことに拍車をかけるかのように、映画やドラマで何度もテーマとして使われている。それらの作品から、日本における「偽装結婚」の意味するところを垣間見ることができる。(文:湯禎兆。一財網掲載)
「結婚」枠内の「偽装」
まず、「結婚」という枠内での「偽装」をテーマにした作品を見てみよう。岩井俊二監督の最新作映画「リップヴァンウィンクルの花嫁」でも「偽装」が登場する。黒木華演じるヒロインの皆川七海は、地曵豪演じる鶴岡鉄也と結婚することになったが、結婚式に出席してくれる親戚も友人も少なく、 鉄也に「見栄えがしないからどうにかしてほしい」と頼まれ、綾野剛演じる「なんでも屋」の安室行舛に代理出席を依頼した。新婦側の来賓は全て雇われた人で、リハーサルで練習して新婦の友人を演じ、結婚式を何とか無事に乗り切る。しかし、すぐに鉄也の浮気が発覚し、結局離婚する。この流れは、結婚に「偽装」が伴うと、結局は収拾のつかない結果になることを暗示している。
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