中欧国際工商学院の許小年教授はこのほど、経済紙「経済観察報」とドキュメンタリー番組「品質」が共同開催した第2回中国製造業2025年サミットフォーラムおよび10大優良品質表彰イベントに出席した際、「中国製造業が目下直面している課題は、人件費ではなく、主にコア競争力の弱さだ」と述べた。経済参考報が伝えた。
許教授によると、「中国製造業は改革開放以来約40年間の発展期を経て、今では設備が整い、種類もそろったシステムを形成している。このシステムには一定の国際競争力が備わり、総合的加工製造の能力と設備の能力では日本やドイツなどの製造業大国と並び論じられるレベルに達した。現在、人件費が上昇し、一部の製造業の国外移転現象がみられるが、それは主に加工業と技術力の低い産業であり、専門的に細かく分化し、協業の要求レベルが高い産業には、海外移転の動きはほとんどみられない」という。
許教授は、「中国製造業の目下の主要な課題は労働力コストの上昇ではなく、全体的な技術含有量の低さであり、世界の一流企業との開きが大きいことであり、また同一化傾向の広がりだ。企業の差異化の力とコア競争力が弱く、これにより目下かなりの数の製造業企業が経営困難な状態に陥っている」と指摘した。
「三去(生産能力の削減、在庫の解消、デレバレッジ)」の任務を達成した後、遅れた生産能力が淘汰され、新たな市場の可能性が生まれる。次の課題は製造業のバージョンアップと世代交代だ。許教授は、「これは革新によって実現されなければならない。市場と政府の境界線をはっきりさせ、その中でのそれぞれの位置づけを明確にすることが非常に重要だ。政府は基礎理論の研究と基礎的な技術開発に傾注すべきであり、技術の商業的応用ではその革新の主体は常に企業であるべきで、主に民間企業であるべきだ」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年11月17日
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