製造業の利潤が日に日に薄くなっていることを受けて、世界の消費電子製品大手は市場のより大きなB2B(企業間取引)分野を意識的に開拓するようになった。産業チェーンの川上に位置する中核技術を通じて、より高い利益を得ようとしている。パナソニックの中国法人・松下電器(中国)有限公司の大沢英俊会長はこのほど取材に答える中で、「現在、パナソニックに占める家電事業の割合は20%ほどで、会社はB2B事業への全面的なモデル転換を行った。だがパナソニックは家電事業をやめるわけではない」と述べた。パナソニックの計画によると、2018年の創業100周年にあたり、B2B事業の営業収入の割合を80%に引き上げる予定で、そのうちオーディオ・ビジュアル・コンピューター(AVC)事業は発展ペースの速い代表的B2B事業とみなされおり、営業収入は14年の1兆2千億円から18年に1兆5千億円に到達することを目標としている。「北京商報」が伝えた。
専門家によると、「日本の家電企業全体のモデル転換には、主体的なモデル転換という要素もあれば、受動的なモデル転換という要素もある。主体的モデル転換は段階的に進められ、まず家電事業を主体的に切り離した。たとえばパナソニックは、14年にプラズマテレビ事業とプラズマディスプレイパネル事業から撤退し、15年には傘下の三洋電機を吸収合併し、三洋は世界の家電の舞台から姿を消した。また中国で最後の液晶テレビ工場を閉鎖し、三洋の中国エリアでのテレビ事業は四川長虹電器に売却された。ソニーは11年に米国の診断機器メーカー・マイクロニクスを買収し、12年には光学機器・電子機器のオリンパスに接触し、医療機器市場がソニーの未来の新たな戦場になりつつある」という。
モデル転換で大きな成果を上げたのは三菱電機、日立、NEC、富士通などの日本の家電メーカーだ。たとえば日立は12年、56年の歴史をもつテレビ製造事業をはじめ、液晶パネル事業、ハードディスク事業に自ら終止符を打ち、ヘルスケア事業やスマート物流事業などの新事業の発展に力を入れるようになった。
専門家は、「パナソニックとソニーはいずれも付加価値の高い産業チェーンの川上への移動を進めた。例外はシャープ、パイオニア、三洋で、いずれもモデル転換に失敗し、三洋はブランドさえ残せなかった」と話す。
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