ドイツの写真家マイケル・ウォルフ氏は、都市生活をテーマにした作品を集めた「Tokyo Compression」というシリーズを発表している。ウォルフ氏は12日、米CNNの取材を受け、同シリーズに収められた各作品の撮影シーンについて、「あまりにも恐ろしかった」と振り返った。環球網が報じた。
写真には、見知らぬ東京の通勤客らの顔が、地下鉄車窓のガラスに押し付けられている様子が写っている。そこに写った彼らの苦痛に満ちた表情が、満員電車の中の窮屈な状態を表している。車窓のガラスは、車内の湿気で曇っている。これらのスナップショットは、毎日、東京各エリアの地下鉄でひっきりなしに往来している住民の様子を記録したものだ。
ウォルフ氏はしばしば、これらの写真を取り上げて、国際的な大都市における辛く苦しい生活環境を批判し、きらびやかな都市の外見に隠れた真実の姿を、カメラのレンズを通して切り取ってきた。ウォルフ氏は、「通勤ラッシュ時の東京の地下鉄の混雑ぶりは、耐えられないほどだ。数分おきに、より多くの通勤客が押し寄せてくる」と話した。ウォルフ氏が撮影したのは、すでに車内に乗り込んだ人たちだ。彼らは後ろから押されて壁に押し付けられるが、それでもさらに多くの人が車内にどんどん乗り込んでくる。
「人々はまるで大量に群れて泳ぐイワシそのもののようで、あまりにも恐ろしい。これは尊厳ある生き方とは言えない。まるで地獄に向かう列車に乗る情景を見ているようだった」とウォルフ氏は語った。
さらにウォルフ氏は、「東京の混雑ぶりは、他の大都市をはるかに凌いでいる。一部の大都市では、関心の対象はそこに住んでいる人々ではなく、発展をめぐる問題に向けられている。私から見ると、大都市に住む人々は、あまりにも欲深く、その自分の貪欲さが他の人々に及ぼす影響については全く無頓着のようだ。そして最終的には、自分で自分の首を絞めることになる」との見方を示した。彼はこれらの作品を発表することで人々に「こんな暮らしに価値があるのか?」という点に想いを馳せてほしいと願っている。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年10月14日
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