2015年の中国の入境観光(訪中観光)による外貨収入は1136億5千万ドル(約11兆8310億円)に上り、観光サービス貿易は91億5千万ドル(約9525億円)の黒字だった。中国観光研究院とビザインターナショナルが共同で作成し、9月30日に発表した「中国入境観光発展年度報告2016年」で明らかにされた。人民日報が伝えた。
同報告によると、15年に中国が受け入れた外国人観光客はのべ1億3300万人に達して、前年比4.14%増加した。このうち1泊以上滞在した人はのべ5688万5700人で同2.30%増加した。入境観光市場の規模はフランス、米国、スペインに次ぐ世界4位だった。
▽入境観光では入国しやすさを真っ先に考慮すべき
同報告の発表会では、専門家が「中国入境観光の利便化と質向上」というテーマでシンポジウムを開催した。
中国観光研究院の戴斌院長は、「どんなに美味しい料理を作っても、隣人たちが食べに来るのを歓迎しないなら、隣人たちの口には入らない」とたとえ、「これまで入境観光について、私たちが考えていたのは観光地や旅行会社の問題ばかりで、入りやすさという問題を軽視してきた」と指摘した。
現在、北京市、広州市、成都市などの都市が一部の国・地域からの観光客を対象に、72時間まで査証(ビザ)なしで滞在できるノービザ政策をうち出している。江蘇省、浙江省、上海市ではノービザでの滞在時間を、これまでの72時間から倍の144時間に調整した。外国人観光客は上海から中国に入り、杭州で出国することも、杭州から入って南京で出国することもできるということだ。
戴院長は、「中国のビザ政策の効果が徐々に現れている。北京や重慶市などの大都市ではノービザ政策が買い物消費への好材料となっている。北京市観光発展委員会観光環境・公共サービス処の王清処長も、「ノービザ対象都市での滞在可能時間が長くなり、人気向上にプラスになっている」と指摘する。
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