「アジア太平洋リバランス」は米国の心理を終始反映している。米国は台頭する中国を自らの世界覇権に対する「主要な挑戦者」と見なし、南中国海問題で闇雲に突き進み、武力を誇示することを辞さない。フィリピンの南中国海仲裁裁判は、米国による南中国海問題介入の具体化に他ならず、「3枚のカード」のカモフラージュとすることができる。
■米国が覆い隠せていると思っている計略を識者は一目で看破している
米国の著名な弁護士、ブルース・ファイン氏は「米国の現在の南中国海政策は『危険な帝国思考』を体現している。南中国海に行って『中国の脅威』を誇張しても、地域の緊張を激化させ、アジア諸国に誤ったメッセージを送る以外、米国が得るものはない」と指摘した。
中国国防大学戦略研究室の韓旭東教授は「米国がしきりに空母をアジア太平洋地域に出没させるのには、アジア太平洋地域の一部の国が米国になびくようにする、または米国離れの傾向を抑える狙いがある。軍事手段を用いるこうしたやり方は、まさに『泥棒が人を泥棒呼ばわりするような米国の慣れた手口』だ」との考えを示した。
米国の国際問題専門家、「Executive Intelligence Review」誌ワシントン支社長のウィリアム・ジョーンズ氏は「米国は、より強硬に領有権を主張するようフィリピンを後押ししている。これは南中国海問題で特定の側につかないとの米国の主張に反する」と指摘した。
南中国海を地政学的角逐の場とすることは、どの国にとってもメリットがなく、政治問題にいわゆる国際法の仮面をかぶせることは、混乱を招くだけだ。アジア太平洋地域で建設的役割を発揮したいのなら、米国には「心理のリバランス」が必要だ。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年7月4日
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