大手メディアと製造メーカーに祭り上げられ、近年ウェアラブルデバイスが脚光を浴びている。多くのIT大手、創業者がこの流れに追随し、模造品まで製造されている。しかしこの概念がもてはやされる一方で、市場の反響は芳しくない。宣伝ばかりが賑やかで売れないという状況により、一攫千金を目指した多くの人が討ち死にしている。2016年を迎え、ウェアラブルデバイスの春はいつ来るのかという疑問が生じている。北京晨報が伝えた。
◆ウェアラブルデバイスの売上、2020年にスマホを超えるか
グーグル・グラスの発売は、世界の業界内でウェアラブルデバイスのブームを巻き起こした。しかしこの先駆者は昨年、最も早く討ち死にした。グーグルは昨年1月、グーグル・グラスの販売を正式に終了すると発表した。業界内でウェアラブルデバイスを賑わす可能性が最も高いとされていたアップルウォッチも、売上が予想を大幅に下回った。IDCの最新データによると、アップルウォッチの昨年4月の販売台数は410万台のみ。
携帯通信関連見本市「モバイル・ワールド・ コングレス2016」(MWC 2016)で、調査会社のガートナーが発表した最新の予測値によると、2020年は科学技術産業の発展の分水嶺となり、ウェアラブルデバイスの売上がスマホを上回り617億ドルに達する可能性がある。このデータは、ウェアラブルデバイスのベンチャー企業が抱いている希望を示しているのかもしれない。
◆ステータスと技術革新
スマートデバイス・インキュベータ「太火鳥」の創業者である雷海波氏は取材に対し、「ウェアラブルデバイス分野では、革新が可能な技術が存在しない。現在の技術は汎用技術であり、ウェアラブルデバイスに使用できる画期的な技術は少ない。画期的な進展を目指せるのは、ステータスだ。メガネや腕時計を例とすると、これはその人の個性や品格を示す製品であり、多くの高級ブランドが存在する。人々はスマートな機能だけを目的に、製品を購入しようとはしない。そのため今後は、身に付ければステータスになるブランド力を巡り、競争が展開される。ウェアラブルデバイス界のルイ・ヴィトンになりたければ、そのブランド力を構築しなければならない」と指摘した。