日本・東京電力は24日、2011年3月11日に起きた福島第1原発事故で、本来であれば事故から3日後には核燃料が融け落ちる「メルトダウン(炉心溶融)」が起きたことを発表できていたにもかかわらず、溶融ほど深刻ではなく、燃料が傷ついた状態を指す「炉心損傷」という言葉を使い続けていたことを発表した。事故からすでに5年近く経っているものの、処理や対応が遅れている上、事故をめぐる批判も多い。恐ろしい原発事故の「後遺症」が依然として日本に残っている。人民日報が報じた。
メルトダウンとは、炉心の温度が異常に上昇し、核燃料が融解、損傷することで、原子炉の重大事故の一つ。2011年3月14日早朝5時、福島第1原発の3号機の炉心損傷割合は30%に達し、1号機も午前7時に55%に達し、両方ともメルトダウンの状態。ところが、東電は、政府やメディアに「炉心損傷」と説明し続けていた。正式にメルトダウンだったと認めたのは発生から2カ月後の5月だった。東電は、今年2月になって初めてメルトダウンと判断する基準がはっきりしたとしている。
今月15日、原子力規制委員会の廃炉に関する検討会合で、東電は、福島第1原発の汚染水対策「凍土遮水壁」について、凍結開始から完了まで約8カ月かかるとの見通しを示した。これで、政府と東電が目指していた2015年度中の凍結完了は不可能になった。福島第1原発では現在、1-3号機において、1日あたり約300トンの地下水が建屋に流れ込み、放射性物質を含んだ汚染水となっている。
事故の調査も思うように進んでいない。調査を予定しているエリアの除染が行われているものの、放射線量が下がらず、東電は、2号機の原子炉の真下にロボットを投入して、溶け落ちた核燃料の状態を調べる予定だったものの、実施のめどが立たない状態が続いている。報道によると、ロボットを投入するためには、投入口付近の放射線量を毎時100ミリシーベルト程度にまで下げなければならない。しかし、東電は除染を続けているものの、放射線量は毎時500-8300ミリシーベルトと、非常に高い状態が続いている。