統計データを見ると、昨年12月の中国の輸出入貿易は、それまでの11カ月と比べていくらか好転しているように見える。これはなぜか。商務部(省)の沈丹陽報道官は20日の定例記者会見で、これに影響した3つの要素として、(1)政策の効果、(2)構造調整、(3)季節的な要素――を挙げた。中国経済網が伝えた。
第一に、対外貿易による成長の安定をねらった政策の効果が表れ始めている。中国政府は、対外貿易による成長の安定を大きく重視し、昨年以来、一連の政策措置を打ち出した。商務部は、関係当局と多くの地方当局と連携し、政策の実現をはかった。中心的な政策としては、貿易の利便化の推進や、輸出入段階における費用徴収の整理と規範化、税関の検査率の引き下げ、新型商業モデルの発展の支援などが挙げられる。これらの措置はすぐに効果を上げるものではないが、実施されれば、対外貿易の発展に向けて国際化・法治化・便利化されたビジネス環境を作り出し、企業の負担軽減を後押しし、市場主体の活力を引き出し、企業の自信を高めることとなる。
第二に、構造調整が引き続き順調に進んでいる。2015年の対外貿易の成長率は下がったが、構造の最適化は際立った進展を見せ、この傾向は今年も続くと見られる。2015年12月のデータは一層明らかで、一般貿易は1.4%、民間企業の輸出は7.9%成長した。電気機械製品の輸出も12月はプラス成長で、0.2%の成長となった。
第三に、今年の対外貿易の状況は依然として厳しく、複雑なものとなる見通しだ。12月に輸出が成長したことを過度に楽観してはならない。輸出が集中する季節であったことも、12月の輸出成長の原因となっている。
沈報道官は、「2016年に我々が直面する国内外の状況は複雑で厳しいものであり、下方圧力は依然として大きい。だが現在に立脚しながら遠くを見据え、対外貿易の構造調整や動力の転換を加速し、『新常態』(ニューノーマル)下での対外貿易事業に力を尽くせば、今年の対外輸出は良好な発展を見せることとなり、安定成長にしても構造調整にしても良好な結果を期待している」と語った。(編集MA)
「人民網日本語版」2016年1月22日