2015年度国家科学技術奨励大会において、検索大手の百度と、中国科学院自動化研究所、中国科学院計算技術研究所、浙江大学、ハルビン工業大学、清華大学などが共同開発したプロジェクト「ビッグデータに基づくインターネット機械翻訳コア技術および産業化」(以下「機械翻訳」)が、国家科学技術進歩賞二等賞を受賞した。光明日報が伝えた。
機械翻訳技術はコンピュータ、認知科学、言語学などの学科に跨がるため、科学界では人工知能分野で最も困難な課題の一つとされてきた。インターネットとビッグデータの近年の急発展に伴い、ビッグデータに基づくインターネット翻訳が、機械翻訳技術の実用化の突破口になった。百度などのビッグデータ翻訳プラットフォームに翻訳が必要な言語を入力すると、比較的正確な翻訳結果が得られる。それでは機械翻訳技術は将来的に、人による翻訳の代替が可能だろうか?
百度の技術副総裁、機械翻訳プロジェクトの担当者である王海峰氏は取材に対し、「人の翻訳と比べ、機械翻訳には独特の強みがある。インターネットデータの豊富化、翻訳モデルの革新の継続により、機械翻訳の結果はますます洗練される。一般人とは疎遠に見える機械翻訳は数年後、日常生活の多方面に浸透する可能性がある。まず機械翻訳は現在、数十言語を網羅している。これは人の翻訳では実現が難しい。さらに機械翻訳は多くの分野・業界の大量の辞書と翻訳モデルを網羅し、さまざまなシーンで翻訳を行える。人の翻訳は往々にして、特定の分野や業界に特化している。機械翻訳は人々の生活に、さまざまな利便性をもたらす。人々は機械翻訳を使い、衣食住などの言語面の難題を解消できる。海外旅行や科学技術文書の翻訳から、国際貿易や言語を跨ぐ交流など、多言語情報をつなげる需要を満たすため、機械翻訳が重要な価値を持つようになる」と説明した。
ハルビン工業大学教授の李生氏は、「機械翻訳は生活サービスや学習などの分野で人の翻訳に代わり、プライベートの助手になろうとしている。しかし現在の翻訳技術・手段はまだ完全には正確ではなく、ぎこちなく活き活きとしていない。情報技術の発展に伴い、全世界のリアルタイムの情報共有は、人の翻訳だけでは困難になっているが、機械翻訳が完全に人の代わりになることはないだろう。両者は調和的に発展する必要がある」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年1月19日