聯訊証券研究総監の付立春氏は、次の通り指摘した。
FRB(米連邦準備制度理事会)は2015年12月、利上げ開始に踏み切った。FRBは、年内にあと4回利上げを実施し、フェデラル・ファンドレート(FF金利)を1%まで引き上げると予想されている。これにより、世界の資本市場全体が緊縮モードに入り、人民元レートは回復基調に入ると見られる。米利上げと輸出減速、人民元の特別引出権(SDR)加入後の市場化と国際化の加速によって、人民元相場調整の新たな局面が徐々に形成される。人民元相場は全体的に大幅に下落し、対ドル人民元レートは、今年末には6.7から7まで下がると見込まれる。だが、中国政府は依然、十分な量の外貨準備高を保有していることから、短期的に見て、大幅な為替レートの変動が起こる可能性は小さいであろう。
注目すべきは、人民元のSDR加入の影響で、対日本円人民元レートもある程度下落した
点。これ以外では、対ユーロ、対英ポンド人民元レートは、程度の差はあるがいずれも上昇した。このうち対ユーロ人民元レート仲値は、前営業日比で469bp上昇、7.0483をつけた。
CFETS は2015年12月11日、「CFETS人民元為替レート指数」を初めて発表した。鲁政委氏は、「これは、事実上、人民元とドルの『離婚届』としての意味合いを持っている」とコメントした。
趙亜贇氏は、「対ドル人民元レートは続落しているが、他の通貨に対するレートは基本的に安定している。人民元の国際化を推進するプロセスで、人民元は特定の単一通貨にターゲットを絞ることは不可能で、通貨バスケットに連動した動きは避けられない。人民元が国際主要通貨となることは、人民元の国際化が目指すゴールであり、世界の主要通貨に対して人民元が全体的な安定を保つことは、中国の対外貿易発展と投資誘致に有利に働き、通貨バスケットに注意を向けることは絶対に必要なことだ」とコメントした。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年1月5日