頻繁に煙霧に見舞われる北京では、「風」が最も歓迎される「来客」になっている。手をこまねいて風を待つしかないという冗談もあるが、風が吹かない原因を風力エネルギーの開発のせいとする人もいる。中国科学報が伝えた。
風力エネルギーは、地表上の空気の流動によって生まれるエネルギーを使って発電するクリーンエネルギーの一つで、幅広く普及している再生可能エネルギーの一種だ。人類の風力エネルギーの開発と利用により、生態環境に影響が生じ、地表上の空気の流動が弱まることはあるだろうか?
北京大学物理学院大気・海洋科学部の陶祖鈺教授は、風力発電の風に対する影響は「微々たるもの」とした。
陶教授によると、2ヶ所の風力発電所間の距離を1キロとした場合、風力発電機のブレードは数メートルのみで、風力発電所の空間全体の1万分の1以下しか占めない。そのため風力発電機が風力発電所の風通しへに影響を及ぼしたとしても、それは非常に小さな影響だ。北京の面積は約1万6410平方キロメートルだが、風力発電所をこれほど広い地域に設置したならば、その影響はより微々たるものとなる。