だが洋碼頭は天猫国際や網易考拉海購といったプラットフォームとは異なり、粉ミルクや紙オムツが人気品目ではなく、売上ランキングのトップは海外の衣類・靴類・帽子類で、以下、化粧品・薬用化粧品類、ヘルスケア・健康用品、ベビー用品が並ぶ。ファッション製品の個性化ニーズに対応するため、洋碼頭はC2C(一般消費者間取引)に似たバイヤー制度を取り入れ、2万人を超す海外バイヤーを擁し、ファッション製品では海外倉庫とチャーター便による直送方式を多く採用する。一方、粉ミルクなどの標準化された商品ではB2C(企業・一般消費者間取引)を採用し、保税倉庫に大量のストックを蓄える。
こうしたモデルは中国の多くの海外通販企業が採用するモデルと大きく異なる。天猫国際は典型的なプラットフォーム企業で、国際大手ブランドの出店を絶えず呼び込もうとする。網易考拉海購や小紅書などは自社によるプラットフォーム運営と調達を原則とし、プラットフォームが調達の場所になっている。一方、洋碼頭の現在の戦略の方向性は、C2Cのバイヤー資源を絶えず強化することであり(現在の取引額におけるB2CとC2Cの割合は4対6)、標準化された商品だけでなく、消費者の多様なニーズにより柔軟に応えようとしている。
洋碼頭は今年初めからブラックフライデーに向けて準備を進め、主に市場での営業販売チャンネルの普及拡大や利用者への割引券配付などに資金をつぎ込み、イベント期間には3億元前後の取引額を見込む。今後は海外バイヤーの規模を30万人に拡大し、1千億元規模の海外通販ニーズに対応したい考えだ。実現すれば、国内消費者の関心は粉ミルクなどの標準化された商品のみにとどまらなくなり、海外のライフスタイルを楽しんだり理解したりする中で、まだ中国に上陸していないたくさんの商品を発見することにもなる。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年11月23日