中国の映画界で、ネット小説や流行曲など、他メディアの原作を翻案した劇場版ブームが加熱する中、中国で長年愛されてきた小型中国語字典「新華字典」や、落ち物ゲームの超定番「テトリス」がこのほど、ネット企業によって映像化される可能性が出てきた。同ニュースに、ネット上では論議が巻き起こっている。人民網が報じた。
反対派「劇場版映画化を、お金儲けのツールにしてはいけない」
「新華字典」をめぐっては、「『中国文化の至宝』で、軽率に扱ってはならない。一つ間違えると、お金儲けの道具に使われてしまい、『新華字典』の名に傷がつく」、「90分ほどの映画では、『新華字典』の深い文化的背景を表現しきることはできない」などと懸念する声が上がっている。
映画「二次曝光(Double Xposure)」や「後会無期(The Continent)」、「万物生長(Ever Since We Love)」などのプロデューサーを務めた方励氏は取材に対して、「劇場版と言うと、お金の話が必ず関わってくる。つまり、劇場版映画化は、映画の創作とは無関係で、収入を上げるための手段」と冷静に分析した。また、中国映画文学学会の汪海林・副会長も、「『新華字典』に手を出すほど、オリジナル作品が欠乏しているのか」と、「劇場版ブーム」は、中国の映画・ドラマ界がオリジナル作品を重視していない現実を映し出していることを指摘している。