中国科学院が19日に発表した情報によると、同院の裴端卿氏と秦宝明氏が率いる実験チームは最新の研究により、リプログラミングによる細胞再生の重要な調節メカニズムを解明した。この発見は、糖尿病やがんなどの代謝性疾患において、細胞再生が細胞の運命に及ぼす影響に関する認識を深め、新たな治療法の模索に有力な根拠をもたらした。同成果は「ネイチャー・セルバイオロジー」(電子版)に掲載された。新華社が伝えた。
細胞再生とは何か?研究者によると、成体細胞は特定の機能を持つ部屋のようなものだ。部屋の中の器具の違いにより、住宅、事務所、店舗などに分かれる。一方、胚性幹細胞は空き部屋のようなもので、需要に応じてすべての用途を持たせることができる。成体細胞を胚性幹細胞にリプログラムすることは、屋内の器具を取り払い、水道や電気など最も基本的な設備のみを残すようなものだ。これが、細胞の構造的な「若返り」の重要な過程である。
裴氏は、「細胞は飢えなどの差し迫った条件下で、自分を食べることがある。これは自食作用と呼ばれる。これまでの研究では、自食作用はリプログラミングの初期に重要な力を発揮するとされていた。ところが、研究の結果、自食作用はリプログラミングに必要ではなく、むしろこれを妨げていることが明らかになった。自食作用を抑制した細胞の方が、リプログラミング効率が高く、また得られる誘導多能性幹細胞(iPS細胞)も正常な多能性を持つ」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年5月20日