中国人民銀行(中央銀行)が13日に発表したデータによると、今年4月末現在の広義マネーサプライ(M2)増加率は10.1%にとどまり、前月に比べ1.5ポイント低下した。年初に制定した目標値の12%とは明らかに開きがある。これはつまり、金利引き下げの後も、金融政策にはさらなる緩和の余地があるということを意味する。「中国証券報」が伝えた。
具体的にみると、4月末現在のM2残高は128兆800億元(1元は約19.2円)で前年同月比10.1%増加し、増加率は前月を1.5ポイント、前年同月を3.1ポイント、それぞれ下回った。狭義マネーサプライ(M1)残高は33兆6400億元で同3.7%増加し、増加率は前月を0.8ポイント、前年同月を1.8ポイント下回った。流通現金(M0)残高は6兆800億元で同3.7%増加した。4月に回収された現金は1177億元だった。
M2増加率の低下は簿外融資の減少による通貨供給の減少がある程度影響している。経済成長率の低下により、実体経済では貸出需要が減少し、簿外融資の需要もこれに応じて減少し、簿外融資の減少につながった。また商業銀行の簿外業務に対する監督管理が強化され、一部の簿外融資が徐々に簿内に移ったことがある。簿外融資の減少に応じて通貨供給が減少し、M2の伸びを押さえ込んだ。
オーストラリア・ニュージーランド銀行中華圏の劉利剛チーフエコノミストは、「人民銀は第2四半期(4-6月)も引き続き貸出金利を25ベーシスポイント引き下げるとみられ、これにより企業の資金調達コストの低下が予想される。預金準備率にはまだ大きな引き下げの余地があるが、人民銀がこれから準備率を引き下げるかどうかは資本の流出、市場の流動性、株式市場の評価によって決まる」と話す。
ドイツ銀行中華圏の張智威チーフエコノミストは、「年内にも金利引き下げが2回行われる見込みで、6月と第3四半期(7-9月)にそれぞれ1回ずつだ。また第3四半期に預金準備率の引き下げが行われることが引き続き予想される」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年5月14日