青山杉雨氏の書斎の中の一部蔵書
かつてある評論家が青山杉雨氏の書は日本の現代書道が生み出したもので、中国の書とはかけ離れていると評したことがあった。しかし、このような観点は杉雨氏の書斎を訪れれば、まったく的が外れていることがすぐわかる。杉雨氏は若い頃に表現主義の現代書道に傾倒したことがあったが、最後に選択したのは、清の金石書道に基づく西川寧氏のような中国の文人趣味に立った書の道に近いものであり、中国文化に含まれている教養(すなわち、いわゆる漢学の素養)を書の基礎とする必要があった。もし、この一点がなければ、青山杉雨には成りえなかったとも言える。さらに極端に言えば、近現代に入って脱亜入欧の雑音が大きくなったとしても、実際には日本社会全体は漢字文化に根差しており(現在の日本社会の至るところに見られる唐、宋の古代の様式を含む)、実際その根付き方は非常に深く、特別だ。同じ漢字文化圏である韓国やベトナムなどが自国語から漢字を排除したのに比べ、日本が一貫して漢字を使い続けていることからも、この点が見て取れる。(編集MZ)
「人民網日本語版」2015年5月8日