税関総署の于広洲署長はこのほど人民日報社の両会(全国人民代表大会と全国政協会議)情報番組「両会e客庁」に出演した際、「中国税関のペーパーレス化通関が占める割合は83%に達し、5月1日から全国規模で地域レベルの通関一体化を推進する。上海自由貿易区で実施される、貨物を先に区内に搬入し後から通関手続きをする、など23項目の制度刷新のうち、14項目はすでに全国で再現と普及が進められている」と述べた。人民日報が伝えた。
于署長は、「税関総署は今後、改革の深化に力を入れる、関連の措置には国際貿易の『単一窓口』の推進、税関と検査検疫部門との協力における『一括申請、一括検査、一括通関』の深化、税関特殊監督管理エリアの整備・改善の加速、集中的な集計・徴税の全面的な普及などが含まれる」と述べた。
昨年下半期、税関総署は北京市・天津市・河北省の京津冀エリア、長江経済ベルトエリア、広東省で全国に先駆けて地域レベルの通関一体化を実施し、関連企業にはこの改革により実質的なメリットがもたらされた。
この地域レベルの通関一体化とは、これまで省・自治区・直轄市ごとに独立していた通関管理システムを、情報ネットワークを通じて連携させ、地域規模で連動する通関センターを形成し、一括申請、一括リスク対策、一括専門審査、一括現場業務を実現するというもので、企業は申告、納税、検査する地点を自ら選択することができる。
全国人民代表大会の代表を務める上海国際港務(集団)有限公司の陳戌源董事長(会長)は、「昨年、上海港が取り扱ったコンテナは3528万個に上った。上海港湾の通関効率は目立って改善され、通関コストも目立って低下した」と話す。
北京ベンツ自動車有限公司の陳宏良シニア執行副社長は、「昨年第4四半期(10-12月)には、弊社の貨物1単位あたりの通関時間は平均で2~3日短縮され、物流コストが30%低下し、部品の資金占有率も20%低下した」と話す。
于署長は、「今年5月1日から、全国規模で地域レベルの通関一体化を推進していき、政府権力の引き算を、市場活力のかけ算と引き換え、輸出入企業により多くのメリットを与えるようにする」と述べた。
また于署長は、「国は広東省と天津市と福建省にも自由貿易試験区を新設する予定で、税関はこれを積極的に支援し、制度の刷新と再現・普及を継続的に推進する」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年3月13日